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「ギークの武器はどうだった?」

仕掛けられたトラップにかかり、全員が身動きできないところに、ひっそりと現れたのがギークという奴だった。

一見すると背の高い女のような姿で、線も細く、弱そう。
非戦闘員なのが見てとれる。

「今日は、ここに俺以外のメンバーはいないよ。任務で出払ってるんだ。」
「ハッタリちゃうんか」
「もしいたら、トラップが動く前に大乱闘だね」

やはり一網打尽とはいかなかったか。
情報をとってこれなかったジョニーが悔しそうにギークを睨む。

「お兄さん達も、俺らを狙いに来たの?何のために?」

最近多いんだよね、と呟く彼は少々呆れているようにも見える。

「依頼や。報酬もえらい良かったしな」
「…そう」

やはり、またかと言わんばかりの表情だ。

「やっぱり恨みは付いて回るものだね、キリがないや」
「…せやな」



「殺さんのか」

しばらく無言が続く。

目の前の男は黙ったまま動かないし、かといって拘束を解くわけでもない。
漸く言葉を発したのは、やはりというか、エースだった。

「俺に、捕まえる以上の武器はないんだ」
「お仲間が帰ってくるまでこのままっちゅうことか」

「…んん、それでもいいけど」

取り引きして欲しいんだ。

そうして持ちかけられたのが、見逃す代わりに、俺らに警護を依頼するというものだった。

正規の依頼に加えて、格下とはいえ、連日他から狙われるような状態じゃ身がもたない。
それを俺らに始末してもらおうということらしい。

「潰した奴らの資産はそっちが持っていって。要望があれば、できる限り情報も集めるよ。」

お互い、不可侵のために。
そう言って笑うギークが差し出した手をとったのだ。



ま、最初はそのつもりだったけど。

いつのまにかギークは面倒見の良いジョニーと仲良くなっていたし、彼自身もお人好しなところがあるのか俺達の武器のメンテナンスや、頼めば特注で、試作品と称して与えてくれた。

猫のように気まぐれなところが気に入られたのか、ガムともよく話すようだし。

随分と懐かれたものである。

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かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです!伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - かじさんはじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!!すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀`*)これからも頑張ってください! (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かじ | 作成日時:2018年6月17日 23時

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