検索窓
今日:10 hit、昨日:13 hit、合計:87,914 hit

. ページ46

「フォローできひんからな、エース。謝り」
「いえ、あの、俺がぶつかったのも悪いし!」
「せやで!!売られた喧嘩は買うしかないやろ!」
「ええ…、そんなつもりじゃ」

まだ試合(のつもり)を続けようとするエースさんをガムさんに止めてもらって。
焦るSHINOBIを連れて、とりあえずみんなでカウンターへ移動して、閉店を待った。

言い合う2人に板挟みになりながら、オロオロと忙しないSHINOBI。
見てて飽きないけど、ちょっと可哀想。

「大変だったね〜、来て早々喧嘩売られて」
「もう!軽いよギーク!」

本当に焦ったんだから!
って力説する彼には悪いけど、そもそもこいつはなんでここに居るんだろう。って方向に頭がトリップしだす。
作ってもらったまま食べ損ねていた新作とやらを、ジョニーさんと一緒に突きながら、頭を巡らす。

偶然てことはないよな。
一人で呑むより、コマンダー達とカフェ巡りをしている方がイメージにあるし。

そしたら、尾けてきた?何のために?


「ギーク?」

反応が帰ってこないことに気づいたSHINOBIが、こちらを窺うように声をかける。
急に現実に引き戻されたせいで、視線が宙を彷徨った。

「あ、」
「みんなね、心配してたの。ギーク何も教えてくれないんだもん」

でも、黙って尾行なんてして、ごめんなさい。

きっちり頭を下げる彼を見て、罪悪感がぞわ、と背筋を走っていく。
心配、なんて盲点だった。

そうさせたのは、俺なのに。
不信感を持たせたのは、俺なのに。

上手い言葉が見つからず、お互いにしょんぼりしたまま黙っていた。

「また、みんなで話そか」

後ろからゆらりと姿を現した、色白の彼が俺とSHINOBIの頭をさらりと撫でた。
その動きにつられるように顔を上げると、奥の方から様子を伺っていた長髪の彼が、ふ、と鼻で笑うのが見える。

ほら保護者に、と渡された紙切れには、翌週の日付と、クラブの住所と閉店時間が記載されていた。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (143 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
296人がお気に入り
設定タグ:伊野尾慧 , Hey!Say!JUMP
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです!伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - かじさんはじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!!すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀`*)これからも頑張ってください! (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かじ | 作成日時:2018年6月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。