君の他には何にもいらないよ

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もしかして、いのおちゃんの好きな人ってゆうやなんじゃない？

そう思って、それとなく2人の仲を取り持ってみたら、いのおちゃんは何も言わないけど、やっぱり複雑そうなあの顔。

最近いっつもその顔を見てるから、もしかしてこれはあながち間違いではないってことかな。

なんとなく、2人が寄り添っているのを思い描いて、なんて絵になる2人なんだ！
って1人でめちゃくちゃドキドキした。

そう、確かにドキドキしたんだ。


ちょっと胸がチクッとしたなんて、気のせいなはずなんだ。



そんな俺は、どうしてもいのおちゃんの恋を叶えてあげたくて、事あるごとに、ゆうやと2人っきりにしてあげてる。

だけど、肝心のいのおちゃんはいつも恥ずかしがってゆうやに想いを告げられないみたいだった。

今回も駄目だったから、次のプランを考えなきゃ。って、無い頭を振り絞って、1人きりの帰り道。

歩道橋を登っていくと、ここ最近見慣れた2人のシルエット。

向かい合って、手を繋いで、ゆうやがいのおちゃんのほっぺに手を添えて、って、なんだか良い雰囲気じゃないか？！って咄嗟に階段の影に隠れた。

なんとなく聞こえてくる2人の声。

なんか違和感。

あれ、もしかして、

「も…、頑張れねぇよぉ」


いのおちゃん、泣いてるの？

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