チキンバスケッツ ！！

０２４: 気持ち( 美勇人side ) ページ26

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美勇人「なんか、最近イライラすんの」


A「…え？」









少しの沈黙のあと、俺から口を開いた。








美勇人「急に超うまい１年が入ってきてさ、エースの座を奪われた感じっていうか」


A「そんなこと、思ってたんですか…」


美勇人「焦ってんのかな、俺」








自分の気持ち、話すつもりなんてなかったのに。





まっすぐなAの目を見たらなぜかつらつらと語っている自分がいた。









美勇人「今日とか、何があったのか知らねーけど。

あんなやつにエース奪われたのかって思ったら悔しくて」


A「佐藤くんは、エースじゃないです」


美勇人「は？」









思いがけない言葉がAの口から出てきて戸惑う。




次の言葉を待ってみると、少し悩んでからAは口を開いた。









A「なんていうのかな、佐藤くんはただの助っ人です。

"ただの"って言ったら聞こえが悪いかもしれないけど。

だからバスケ部の、"チキンバスケッツ"のエースは森田先輩だけなんです。」








そう言うと、にっと笑って俺の手を握る。









A「そういうことなんで、もう悩まないでくだ……きゃっ！？」









握られていた手を握り返し、そのままAを胸の中に収める。









A「せ、先輩っ！？///」


美勇人「ありがと、A」


A「いやいや！わたしは何も….」








そのまましばらく、俺はAを抱きしめたままでいた。




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