ページ ページ39
.
すると、(悔しいことに)顔だけはハンサムなトム・リドル・シニアがガーベラに気づいて、先程まで恋人に向けていたような笑顔を見せた。
「やあ、君はこの小屋の、
『話しかけるな、恥知らずの穢れた血め』
「あ、このバカ」
「なあに、気味が悪いわ」
ガーベラはセブンと協力してやっとモーフィンを歩かせ、馬に道を開けてやった。
リドル少年は、マグルたちの後ろ姿を睨みつけている。
モーフィンを一旦家の傍に座らせたガーベラは、弟の肩をポンと叩き、慣れぬ手つきで摩り、そして、一番気まずそうにこう言った。
「アレ、君の父親」
「……は？」
「えっと……これにはいろいろワケがあって……」
話せば長かった。
どれくらい長かったかというと、セブンがモーフィンとのコミュニケーションにやっと成功するくらい。
いつの間にか、太陽が傾いて一番星が瞬いている。
リドル少年は賢い子どもだったので、一度の説明ですべてを理解できた。
しかし飲み込むのには、少し時間がかかりそうだ。
それを察して、ガーベラは自分の父親に焦点を変えた。
『……あのさ、』
セブンは空気を読んで、今度はリドルのほうへ身を寄せる。
ガーベラは泥にまみれてボロボロのモーフィンを見て、言った。
『あんたでも出来そうな仕事、紹介できるんだけど』
『……あ？』
『オミニスのところ。オミニス・ゴーント、知ってるでしょ』
オミニス・ゴーントは、ガーベラたちともそう遠くない親戚だ。
純血主義や闇の魔術を嫌う、ゴーントの中でも異端な存在。
目が見えないながらも、今は魔法薬の分野で成功している。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや。 | 作成日時：2023年1月31日 12時
