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地べたに座り込んでいたグリンデルバルドは、立ち上がりユリを見下ろした。
そして、格子の隙間からその首元にかけてあったカルセドニーのペンダントを手に取り、少し腰を曲げる。
「これは？」
「あ、これ……。こないだの誕生日にとうさんがくれたの。目の色と一緒だね」
そう言ってユリは笑った。
グリンデルバルドも辛うじて、歪みそうになる顔面をすんでのところで笑みに昇華させる。
彼女はこの瞳の色のせいで、自分と同じホワイトブルーのせいで親に捨てられたというのに。
笑いかけてくれる。
この老人に、この罪人に。
グリンデルバルドはそのペンダントにそっとキスを落とした。
きょとんとするユリに、また笑う。
「まじないをかけた。古いまじないだ。私も最近まで知らなかったものだよ」
「ああ、うん……ありがとう？」
「きっとお前を守る」
グリンデルバルドが手を離すと、ペンダントはユリの胸元に揺れた。
そこで、向こうの方から足音が響いた。
二人は同色の瞳を合わせる。
「時間だ」
「うん、時間」
「ホグワーツに入ったら、あまりここには来られないだろうし、来ない方がいいな。余計な疑いをかけられる」
「なんで？後ろ暗いことないならいいじゃん」
「一理ある。だが私は後ろどころか前も真っ黒だ」
「毎年来るよ」
ユリが一段と強く言った。
それに、グリンデルバルドは困ったように笑って、足音を気にするように牢獄の外を見やる。
「帰りなさい。父さんが待ってるだろう」
「うん。……応援してね」
「するさ」
結局、看守が「時間だ」とほぼ怒鳴るように言って入ってくるまで、ユリは帰らなかった。
グリンデルバルドは座り込んで壁にもたれる。
愛しい孫娘が光へ一歩踏み出した。
一つ開いた窓に瞳を向ける。
濁ったホワイトブルーが陽の光に当たって、それは少女を真似るように、キラキラと光った。
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にはろ(プロフ) - 理緒さん» ご意見ありがとうございます！修正しました。今後ユリという名前に関する記述が少し出てくるかと思いますが、無視していただければ大丈夫です。 (2022年4月19日 21時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - 名前ってユリになってるんですがリノを使いたいのですが変えれませんか？ (2022年4月19日 10時) (レス) id: 946438c0c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2022年1月24日 13時
