咲いた花は・・【男主】

24夜 ページ29

雲の隙間から暖かい日差しが差し込む

あれから一ヵ月ほどたった

季節はいつのまにか12月になっていた

看｢おはよう Aくん 調子はどう?｣

あ｢良いですよ(微笑｣

看｢そう よかったわ(ｸｽｯ ほんとはね
聞かなくてもわかるの 表情を見ただけでわかるわ｣

そう言いながら微笑む

看｢きっと私が毎日会ってるからね(微笑
お姉さんの元気なパワーすごいでしょ｣

この看護婦さんは ずっと前から

俺の担当のひとだった

でも 最近になってようやく会話をするようになった

看｢ふふっ冗談よ
妹ちゃんや水樹君や恵斗君のおかげかしら
あなたは 笑っている方が素敵よ｣

俺は｢ありがとうございます｣と 少し笑った

水樹や恵斗くんは

ここに来てもいいと言った

変わりたいから

この二人から 少しづつ話せるようにしようと思った

今ではその成果もあって

看護婦さんといろんな話ができる

妹もよく来るようになった

たまに三人で来るときだってある

俺のために楽しそうに

学校のことを話す

その風景を見た医者は

少し驚いたが

｢よかった 本当に良かった｣と言ってくれた

医者に花瓶を置くことを許可してもらい

今 すずらんを飾っている

またこの部屋に“幸福の訪れ"がやってきた

暖かいものに部屋が包まれた

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