咲いた花は・・【男主】

11夜 ページ13

何分たったんだろうか

吐くこともできなくなり

嗚咽だけが部屋に響く

めまいに襲われるが

意識が飛ぶこともなく

天井が回る

喉は焼けるように熱く

部屋中はきつい酸性の臭いが充満していた

ゆっくりと 深呼吸をし

自分を落ち着かせようとはするものの

この空間のせいでまた同じことをくり返す

声は枯れ

涙もでない

窓を開けようとしても

力が出ない

このまま 死ぬ??

最後まで迷惑かけながら死ぬ?

死んだほうが 楽??

この空間から出られる?

また 頭のなかをぐるぐると回る

ぐるぐる

ぐるぐる

同じ言葉が何回も何回も

ふと 光るものが見えた

ヘアピン

おそらく凉のだろう

それをとろうとした

いざとなれば

ヘアピンでも 刺せる

何回もさせば きっといつかわ

そんななか

どろどろした空間に

真っ白な空間を見つけた

凉がおいてくれた花・・・

凉『あのね この花すずらんって言うんだよ
花言葉は純愛とか純潔なんだって
でもねもう一つ花言葉があって‶幸福の訪れ"…
お兄ちゃんに幸福が訪れるようにってね ちょっと恥ずかしいな』

あ『ありがとう…凉は優しいね』

凉『まっこの花でも見て私の事思い出してね!!‶すず"ってついてるんだし♪』

・・・

花をくれたときの事を思い出す

あ｢凉…｣

ありがとう

あ｢俺どうかしてたな…｣

凉の花が俺を助けた

凉が俺のために買ってきてくれた花を

花言葉を俺から裏切ることはしたくない

あ｢ごめんね｣

花をそっと撫でた

ガラガラ

医師｢A君!!胃酸系の匂いがするんだが大丈夫かい!?…!!!｣

先生が俺の姿を見た

あ｢あ…先生 俺怖い夢見ちゃって ちょっと酔ったみたいでそれで…それで…｣

医師｢嘘をつくな!!!｣

あ｢(ﾋﾞｸッ…本当です…｣

初めて医者がおこった

医師｢きみがうそをつく理由は分かっているだから隠すな｣

あ｢ちがいます…本当に俺は…｣

また怖くて

体が震え始めた

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