咲いた花は・・【男主】

9夜 ページ11

ボーと 窓の外を見る

変わらない景色

鳥がたまに止まりに来る木

それ以外これといった変化がない

真っ白空間

そしてそこに咲く凉が持ってきてくれた花

俺が入院して お見舞いに来る人は

家族だけ

水樹と恵斗君には入らないようにしてもらってる

怖いから

家族以外の人に会うのが怖い

この空間が崩れそうで

怖い

なにもしない

なにも起きないこの空間

それが俺にとって

どれほど 楽か

でも それと同時に

鋏やカッターがない恐怖

いろんなものがぐるぐると混ざってる空間

その空間に 別のなにかが入れば

俺はどうすればいい?

そんなことばかり考え毎日を過ごす

いつかやって来る 学校にかよう日々

辞めてもいい

家族からそういわれた

でも 辞めることが怖くて

辞めれない

転校も何もかもが怖い

家族だけが 信頼できる

いつか あの夢が現実になるんじゃないか

そう思ってしまう

それも怖い

毎日が怖くて仕方ない

でも 学校という恐怖がない

それがすごく楽

でも苦しい

頭が痛くなるくらい

同じことを

何回も

何回も

止まることなく考える

答えは？

いつか見つかるのか

見つかったとして

俺は救われるのか

助かるのか

それさえわからない

もう わからない

苦しい逃げたい

逃げれない

あ「助けてっ・・・」

ベッドの上でうずくまる

ガラガラ

部屋の扉が開く

先生がたってた

病院の先生じゃない

"学校"の先生

なんで

病院の先生だって少し怖いのに

他の人は入れないはずなのに

あ「どうしてここにいるんですかっ・・・」

震えが止まらない

怖くて

身体中から助けを求めてる

いつもならすぐある

鋏やカッター

それがない今

何にすがればいい

先生「調子はどうだ」

ゆっくり近づく先生

こないでこないで

怖い

ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ

空間が 世界が

ぐるぐる回った

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