7.全てを彼女に見透かされてる ページ7
「でっ、坂口君」
このシリアスな雰囲気の中、僕の苗字をニタァと笑いながら言った彼女に
嫌な予感がする。
「何?」
「今日の放課後、仲直りの記念?に、私とスイーツバイキングに行こうよ」
……嗚呼、嫌な予感が当たった。
こんな暑い日なのに、甘ったるいものを食べたがる彼女がよく分からなかった。全く理解できなかった。
いや、理解する気もないのかもしれない。
きっと、僕は今すごく、ゲンナリと嫌そうな顔をしていると思う。
彼女はそんな僕に向かって言った。
「もちろん……」
その言葉の続きなんて僕にはすぐに分かった。
「拒否権は無しだよっ!」
何をいうのか分かっていたものの
そう、明るく言い切った彼女に、また、うんざりした。
いつもなら、ここで、仕方ないという感じで諦めて、彼女のいいなりになるのだが、
昨日も喫茶店に行ったのに、また彼女と出かけなければいけないというのは苦痛だし
クラスメイトに、また、なんだかんだと言われるのがめんどくさい。
「僕にも、僕の事情があるんだ。いつも、付き合うなんてできない」
まあ、本当は事情なんてない。家に帰ったら、本を読むぐらいだ。
「それは、どんな事情なのかな?」
彼女は全て、見透かしている、とでも言うような感じで僕に問いかけた。
……だめだ。
ついた、嘘はつき続けたい所だが、どうやらここは引き下がるしかない。
そう思った僕は
お手上げ、と手を挙げた。
そんな僕を見て彼女は満足そうに笑みを浮かべた。
「はぁ……」
僕は、そんな彼女を見てため息を吐いた。
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作者名:レイ | 作成日時:2017年3月12日 17時