照兄の彼女になりたい

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康「A〜〜！
お昼一緒食べよ〜！

……………って、


へぇえ！！！？？」






噂をすれば、ご本人。



女子の輪に溶け込んでお昼を食べている私の姿を見つけた途端、

なんとも間抜けな声を出して、驚いている。






　「あ、康二君だ！」

　「ごめんね、岩本さん借りてる〜」




康「なんでなん！？へ！！？
A、いつの間に仲良くなったん！！？」



『みんながお昼誘ってくれたの』




途端、康二の目からぶわぁっと溢れ出る涙。





　「ははっ、向井泣いてやんの(笑)」

　「どんだけ過保護なんだよ岩本さんに対して」




康「うっさいわぁっ！！！
泣いてへんもん、

でも、よかった、ほんまよかった」





男子達に散々弄られながらも、よかったよかったと、泣きながら連呼する康二。

それを見てまた笑いに包まれる教室。





康二は相変わらず友達も多いし、みんなから愛されてるなあって実感する。




　「さっきいろいろあったんだよね」

　「目黒君が全部誤解解いてくれたんだよ！」



康「めめが？何があったん？」



　「A組の秘密〜」

　「康二君も一緒食べる？」



康「もう、なんでもええわぁ！

ほんまA、めっちゃいい子やからこれからもA組の皆さん、よろしく頼みます〜！」




入り口で深々とお辞儀をする康二に、またどっと笑いが起きる教室。



康二、ありがとね。








康「ほんで助けたとやらのめめはなんでまだ爆睡しとんねん！

おい！起きろ！」



泣きながら蓮の席に向かい、バシバシと頭を叩く。



蓮「……、ってぇなー、
………あれ？もう授業終わった？」


康「とっくの昔に終わってんねん！
めめは今日は俺とお昼一緒してもらうからな！」


蓮「やだ。康二うるさいもん。
Aは？」


康「お前のお陰とやらで見てみ！！？」



そう言って、私の方を指さす。

ゆっくり指の指された方向へ視線を向ける蓮。





蓮「………ふはっ、さっそく(笑)
よかったじゃん」




そう言って、満遍の笑みを浮かべる蓮。





『ん。蓮も康二もありがとうね。
みんなもありがとう』



　「全然だよー！」

　「むしろ今までごめんねって感じ」






ああ、高校3年生、楽しく過ごせそうな予感。



さっきまで照兄の事で大泣きしちゃってたけど、
そんなの忘れるくらい、久しぶりの女子との会話に花を咲かせた。









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