照兄の彼女になりたい

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お昼休み。






　「岩本さーん！食べよー！」

　「私達お弁当組だけど岩本さんは？」


『あ！ありがとう！
私もお弁当だから混ざっていい？』


　「当たり前だよー！おいで！」




高校3年生にして、はじめての女の子とのお昼。

私を誘ってくれた子達の元へお弁当を持って向かおうとするけど、





『アキもお弁当？一緒に食べない？』


秋「んーん、私は食堂だからパス。
あと大人数苦手だから」



それだけ言って

じゃ、と教室を後にするアキ。


本当、クールだなぁ。
私なんかより、よっぽど一匹狼って感じ。




隣の蓮は前の授業の途中から机に突っ伏してる姿が見えたけど、案の定まだ寝てる。


助けてくれたのはいいけど、公衆の門前でめちゃくちゃ恥ずかしい秘密を暴露されたせめてもの仕返しとして、起こしてやらない。









　「ねぇねぇ、さっきの本当！？
　岩本さんほんと可愛いから、
　すっごい恋愛経験豊富なんだとばかり思ってた！」

　「私も〜」


『そんな事ないよ！本当に彼氏出来た事すらなくて…』


　「ええー！こんなに可愛いのに、なんで！？」

　「男に興味ないとか！？」


『私ずっと昔から一人の人に片想いしてるの』


　「まじ！？こんなに可愛い子から片想いされてるとかその男何者！？」

　「もしかして、それって康二君！？」


『ふはっ、康二ではないよ(笑)
康二はそんなんじゃなくて、ただの仲良い友達！』




意外とすんなり輪に溶け込めて、
ずっと一人か、康二と二人で食べるかだったお昼が、こんなにも楽しい。

康二と二人が楽しくない訳じゃないんだけどね。









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