照兄の彼女になりたい

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岩本A、17歳。






華のJK、なんて呼ばれるのも今年で最後。



今日から高校3年生となる。




着なれた紺色の制服を身にまとい、

始業式だし、気合い入れてお団子に………




なんて。そんな華々しい高校生活なんて送っていない私は、




寝癖だけでも綺麗にしておこうと


1階にある洗面所に足を運ぶ。









ガチャッ





照「あ、おはようA」





『…………おはよ、照兄』








鏡越しに目が合い、ニコッと笑って挨拶をしてくるこの男。





岩本照、22歳。


岩本家の長男。


私の5歳上のお兄ちゃん。







照「A、今日から3年生だな。
悔いのないように楽しめよ」




『………うん、ありがとう。

照兄も今日からお仕事でしょ？頑張ってね』




照「ははっ、Aが頑張ってる姿思い浮かべて、照兄も頑張るな」



そう言って、私の頭にポン、と優しく手を乗せる。



笑うと目がなくなる、この笑顔を見るといつも思う。







ああ、この人の妹になんかなりたくなかった、と。









私は、実の兄であるこの男に、




本気で恋をしている。






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