爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ44)

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91 　いつしかその感情は安心感へページ44

ガタン。ガタン。

「まもなく__駅に到着します。出口は右側です___」

ぼーっとする。こんな祭り帰りに席に座れたことが珍しい。でも、この気持ちは変わらない。楽しかった。という気持ちは。また皆で行きたい、そう思えるほど私は嬉しさが大きかった。

「…」

彼も少し疲れたのか私の隣で窓の景色を見ている。私が降りる駅まではまだ何駅かある。じっと見ていると彼は私の視線に気がついたようだ。頬をスッと触られた。どこか彼の表情は寂し気だ。

今まで近くにいただけで怖くて怖くて怯えていたのに私はいつの間にか彼を怖がる感情がなくなっていたということにまた気がつく。だって、こんなにも近くで触られているのに。

彼の手が離れると私は眠気に襲われる。正面の席には小さい子が親の腕の中で寝ているのが見える。'安心'しているんだろうな。だから眠れるんだ。

『…』

____

静かに揺れる電車内。夏祭りで疲れて寝てしまった少女がいた。その少女は彼とは反対方向に首が傾きそうになる。

その瞬間、彼はその反対方向に傾きかけた少女の肩を触り、彼の肩に頭を預けさせる形にしていた。

彼の肩は大きく、少女一人が寄り添ったほどではバランスを崩すことなく支えていた。

少女は目を覚ましてからも、その安心感を忘れることはなかったのだとか。