爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ41)

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88　夏が来たページ41

「暑いね…」

ジリジリと蝉の声が響く。個性を使って涼みたいがここは雄英の外だ。

「もうちょっとで着くよ！」

私を含む女子全員で夏休み中、雄英のプールへ向かっていた。ようやくこの暑さから解放される気がする。

プールサイドへ移動すると男子たちが数人いた。緑谷くんが皆を誘ってくれたという。

「早速ストレッチ！」

ストレッチ中、緑谷くんと上鳴くん。そして峰田くんがやってきた。

「んー？」

『芦戸さん。爆豪くん探していないから。そんなに見ないで…』

それから入水だ。水が冷たい。でもそれが気持ち良い。

「やっぱこれでしょ！」

ビーチバレー用のボールで早速遊びだす。隣を見ると、男子たちは真面目に泳いでいる様子がうかがえた。

ふと入口付近を見ると、見慣れた顔。

「今見てたよね。」

予想より近くで芦戸さんの声。思わず声が出てしまった。

『違うよ。ただ声がしたと思って…』

良いタイミングで爆豪くんが怒鳴っていた。…何だか競争をする流れになっているようだ。

「わりーちょと手伝ってくれねェか。」

「分かりましたわ。」

早速始まった競争。爆豪くんは泳がず個性でそのまま飛び越えた。アリなのか…

続いて轟くんも泳がず氷でゴール。そんな中緑谷くんは真面目に泳いでゴール。超パワーはそんな使い方もできるんだ。

泳ぎ終わっている爆豪くんに話しかけようと近づくと、明らかに気づいてくれたはずなのに避けられた。な、何で…怒らせることでもしちゃったのかな。

大人しく三人の決勝戦を見ようとした瞬間、三人はプールに落ちた。こんな事が出来る人なんて…

「時間だ。帰れ。」

先生だ。皆があと少しくらい…と呟くとキッと睨まれた。仕方ない。帰ろう。

「オイ、帰んぞA。」

『え』

着替え終わり、ジュースを買っていると、爆豪くんがいた。私のこと避けてたんじゃなかったの。そのことを聞くと違うと返ってきた。そこへ切島くんが来た。

「爆豪緊張してただけなんだろ。」

「あ゛？」

あんなに堂々と告白してきたのに今更緊張するのかな。私は恋愛について勉強した方がいいのかもしれない。

次の予定は夏祭り。遠いしあの心配をする事はないだろう。

『またね』

電車に乗るとガラス越しに爆豪くんと目が合う。彼はすぐ逸らしたけれど。

…ダメだよ。葵との問題も解決出来ないような私なんかが幸せになろうとしちゃ。当然だ。爆豪くんはいつか諦めるだろう。それでいいんだ___