爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ36)

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83　弱い自分に勝てページ36

希望が見えたと思ったら、すぐに消えてしまう。そんなことはよくあることだ。今も、緑谷くんはオールマイトに飛ばされてしまった。

『さっきみたいに、ここを早く抜けなきゃ…』

ズキンと頭が痛む。今度は頭も打ってしまったようだ。ポタポタと血が垂れるが関係ない。二人はもっと傷ついているんだ。今、爆豪くんが必死にオールマイトを止めている。

"怖いよ"

"痛いよ。動けないよ"

うるさい……邪魔しないで。

今まで一番叫んでいた。気がづいたら、私は既に瓦礫の中から抜け出し、オールマイトを引きはがそうとしていた。

「A…」

『もう…同じことを繰り返さない!!逃げる方が後から辛いって…もう知ってる!!』

怖くたっていい。それでも逃げたくはない。あの時みたいにもう、失いたくない。人を守り、救けるのがヒーローだ。恐怖に襲われても逃げない。

「意識があったのか…」

オールマイトは私の手を掴んだ。速い…強い…激しい痛み。骨が折れたかな。風もまともに操れなくなった。どうすれば＿＿

「どいて下さいオールマイト。」

その時、緑谷くんが向かってきた。緑谷くんがオールマイトを吹っ飛ばしてくれたおかげで私は何とか自分のみなら風で移動できるようになった。

緑谷くんは気絶してしまっている爆豪くんを抱えると、私の方を確認した。緑谷くんは優しいんだね。一人が抜ければ良いゲートなのに救けようとしてくれた。

『私は一人で大丈夫！行って！緑谷くん。』

痛む手首を抑えながら私は緑谷くんたちとゲートをくぐった。

安心感からか、私は急に全身が痛くなった。必死に考えないようにしていた痛みが襲ってきた。

『いっ…』

緑谷くんも同じだろう。腰を抑えている。私は目の前が暗くなった＿＿

次に目を覚ますと、私はいつの間にかリカバリーガールの治癒を受けていた。