298.子供みたい ページ12
「照史……ｯ…
ずっと…ずっと会いたかった……
会いたかったよ……！」
叫ぶように言ったその言葉に
抱きしめていた腕を解き
彼女の頬を両手で包む
「俺も……ｯ…会いたかった
ホンマに会いたかったんやで
急に居なくなって…
どこにも居らんくて…ｯ」
涙に濡れる目で
俺の頬に流れる涙を見て
慌てたように手のひらで拭う
「照史がずっと探してたって……ｯ
探してるなんて思わなかったから…
ごめん
ごめんなさい」
また謝り始めた彼女の頬を
親指で撫でる
「見つかったから…もうええよ
会いたかった
ホンマに会えてよかった」
彼女の瞳をまっすぐ見つめる
透き通るように綺麗な目から
ぽろぽろと涙が溢れる
愛しくて触れたくてたまらない
「なぁ…キスしてもええ？」
鼻が引っ付きそうな距離で
そう聞くと
彼女は手のひらで俺の唇を塞ぐ
「ダメ
相手が違う」
その手を引き剥がす
「違わへん」
揺れる瞳に隠しきれない気持ちが溢れている
俺にまだそんな
愛しい感情を向けてくれるなんて
「会いたかった…ずっと…」
「……………私も…会いたかっ…ｯ」
そっと触れた唇は
昔と何も変わらなくて
お互いの癖を理解した
ピースがピタリとハマったような
長すぎず
甘く優しい時間にのめり込む
きっとこれは
俺たちの
最後のキス
涙味のそれは
胸を暖かく強く締め付ける
惜しい気持ちを含みながら離れた瞬間
まるでファーストキスのように
恥ずかしさに包まれる
それは彼女も同じみたいで
恥ずかしそうに微笑むから
おでこを引っ付けて2人で笑った
俺は一生忘れない
この時間も
このキスも
額を離し
見上げる彼女から感じるおねだり
もう一度
甘く長いキスをして
腕の中に閉じ込める
温かくて幸せすぎる時間
いつまでも続いてほしい
また2人で過ごせたらなんて
思ってしまう
お互いの鼓動が服越しに伝わる
同じくらいバクバクと強く鳴るソレを感じながら
今すぐ時間が止まらないかななんて
子供みたいな事を考えていた
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向日葵(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます！気がついたら残りが少なくて焦ってます汗あと10話程度に詰め込むか…続編にしてダラダラ書くか…縮めるような文才が無いのは致命的です笑のんびりお待ち下さいませ😊 (5月26日 9時) (
レス) @page37 id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございます。本当に嬉しいです。今後の展開を想像するとギュッと胸が苦しくなりますが、最後まで皆の想いを見届けます！私も一気に読みたい気持ちと少しずつ読みたい気持ちがグルグル(笑)いい子にして更新をお待ちしててますね (5月26日 7時) (レス) @page37 id: 146cf31383 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 凛さん» いつも優しいコメントありがとうございます(´；ω；｀)書きたかったシーンの１つでした。パスはスグに開放すると思うので、前作の２人がいちゃいちゃしてた辺りを読み返してください😊※私も読み返してます (2023年5月9日 12時) (レス) id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 今日も今日とて切な苦しいですね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ。素敵なお話共有してもらえて本当に有難い限りです。いつもありがとうございます。パス解除早くても早くなくても前作読み返したりしながらお待ちしていますね (2023年5月9日 3時) (レス) @page13 id: 4ef99da948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵 | 作成日時：2023年5月6日 19時
