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舞台1 ページ1
我が財閥が運営管理をするというのに見に行ってみればかなり小さな小劇場だった。
跡部景吾はまずその事にガッカリした。
とはいえ、跡部景吾24歳。今後跡部財閥を率いていく人間として訪問挨拶での社交儀礼を欠かすことはできない。
父親の横に付いて挨拶に回る。今日の演目はシェイクスピアのようだ。
王道ではあるがシェイクスピアは好みだ。どのように仕上げられているのか、少し楽しみにしながら景吾は社交辞令の言葉を並べた。
景吾は今まで何度もこのロミオとジュリエットは見てきた。
しかし今まで見てきたものは有名な俳優だったり海外の役者だったり、常に一流のものだったので、名前すら聞いた事のないような演者の公演を見るのは初めてだった。
正直なところあまり期待はしていない。
つまらなかったらそれはそれで良い、きっともう見に来ることはない。
そう思いながらジャケットを脱ぎ襟を正して関係者席に腰を下ろす。
客の入りはそこそこ、だった。
こんなものか、と思った時、開演のアナウンスが流れ、幕が上がった。
跡部景吾はまだ知らない。彼の人生を狂わせる歯車の存在を。
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作者名:あやめ | 作成日時:2019年1月15日 18時