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29話目 ページ29

じりじりと意味なく後ろに進むが、行き着く先は当たり前に壁だ。

『・・・』
「抵抗すんなよ、ま、したところでって話だが」
「初めてが三人なんて、自慢できるな!」

洒落にならないんだが。まずい、やばい。警報が頭の中で鳴る。冷や汗が流れる。動悸が響く。

『やめ、ときなよ。顔は見た。ここで引けば、見逃してやるから』

警告に彼らは鼻で笑うだけだ。

「虚勢はるなよ、本当はビビってるくせに」
「なぁに、ま、社会勉強ってことで」

男の手が体に伸びる。






だから嫌なんだ。だから嫌いなんだよ。これだから人間は、人間は嫌なんだ。


気持ち悪い。吐き気がする。視界がぐらつく。





不快で不条理で不安定な視界の中

[だから言ったでしょ?大変なことに、なるって]

笑い声が聞こえた。

[仕方ないなぁ。その体は大切なんだ。だから]

呆れたような声が聞こえた。

そして

[助けてやるよ]

頼もしい声が聞こえた。





がくん、と少女の身体から力が抜ける。男たちは少し困惑し、互いに顔を見合わす。

「どうする?気絶したぜ」
「いいんじゃね。別に。あいつには学校来ないようにって言われたし。適当に荒らしとこうぜ」
「そうだな」

男の一人が少女の肩を掴み、顔を上げさせた。瞬間。

『触るなって言ったやろ?』

少女は男の顔面を掴み、細腕からは絶対発揮されないような剛力で横に動かし、そのまま地面に叩きつける。

「がっ、は・・」
『おっと訛った』

少女は立ち上がり、状況判断するようにあたりを見回す。

『どの時代もクソばっかだ。糞とバカばかり。便所かよ。』

男たちは状況が読み込めてないのか呆然としている。それを一笑し、少女は倒れてる男を踏みつける。

『あいつか?あいつだろうなぁ。気づいてないのに、こんなピンポイントは流石に草』

固まってる男の一人に近づき、肩に手を置く。

「っ」
『あんまり気づかれたくないんだけど、わかる?分かんねぇよなぁ』

男が手を振り払う前に、少女の膝は男の急所へとぶち当てる。一瞬天を仰ぎ、男は泡を吹いて倒れ込む。

『どんだけ私のこと嫌いなんだよってな。お前もそう思うだろ』
「ひっ」

最後の男震え、尻餅をつき、逃げるように後退する。

『なぁお前、子供欲しいか?』
「え」

『欲しいなら、この事は黙っとけよ。なぁに、あいつには逃げられたとでも伝えとけ。』

意味はわかるよなぁ、と歪んだ笑顔を見せれば、男はぶんぶんと頷きながら倉庫の外へと逃げる。

『長い計画だ、修正すればいい。この身体はまだ利用できる』

楽しくなってきた、と少女は嗤う。悪魔のように、天使のごとく。

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ぽていとう - 世界一かっこいい骨の戦闘曲…だと…!?やっぱ神だよね⭐︎ (6月20日 20時) (レス) @page7 id: c6d2a356b9 (このIDを非表示/違反報告)
ピラフ大好き - めっちゃかっこいいし面白いって神か?あっ!神だ(確信) (2020年11月29日 13時) (レス) id: 274814f204 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。@str48&変人系カップル(プロフ) - niさんとの自己紹介爆笑www面白かったです! (2020年8月13日 2時) (レス) id: 024f1c0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
モンテージ - カッコよき! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 17ee63c14d (このIDを非表示/違反報告)
パイ生地(プロフ) - 連投失礼。なんでこんな素晴らしい作品にもっと早く出会えなかったんだって口から出てました。 (2020年3月15日 3時) (レス) id: 41604f8360 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧月 | 作成日時:2020年1月10日 19時

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