防弾少年団は私の彼？ (ページ21)

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お酒と彼。２ TH ページ21

ふと目を覚ますと朝だった。
ああ、私普通に寝てたんだなぁ。いい天気だなぁ、洗濯しなきゃ。

無意識なのか意識してなのか自分でももはやわからないけれど携帯を避けていた。

それからいつものように朝ごはんを食べて、洗濯をして、布団を干して、掃除機をかけて…

お昼になった。何食べようかなぁ、今日はしっかり作ってみよう、そう思ってレシピを調べようと携帯に手を伸ばした。

電源を入れるとそこはテヒョンからのトークで埋め尽くされていた。

『ヌナ！ごめん！』

『ヌナ、電話に出て欲しい…』

『どこにいるの？』

『話したい。会いたいよ、ヌナ…』

最後のメッセージは15分前だった。

私は冷静だった。
いや、冷静を装っていた。そうやって予防線をはらないと自分が傷ついてしまうから。それがこわかった。

テヒョンのことを信じたい気持ち、だけどどこかでテヒョンはもう他の女の子に夢中なのかもしれない、だけど手離したくない、離れたくない、でもテヒョンにとっては私じゃないほうがいいのかもしれない。

たくさんの感情が複雑に混じりあっていた。

そのとき、

♩ピンポーン

玄関のベルが鳴った。

♩ピンポンピンポーン

出ないでいると続けて押されるベル。テヒョンに違いない。

私はドアへ向かった。深呼吸をひとつして、ドアを開けた。

『ヌナ！』

ドアを開けると同時に抱きついてくるテヒョン。

『携帯見た？みてない？』

早口で聞いてくる彼に私は何も言えなかった。

『ヌナ…ほんとにごめん…』

何に対するごめんなんだろう。

もう私は頭の中がぐちゃぐちゃなのに、自分を守るために平静を装った。

「どうしたの？」

『えっ…』

私の反応が予想外だったのだろう、テヒョンは体を離して瞬間目を泳がせた。

『き、昨日…電話…』

「ああ、そのことね。なんで謝るの(笑)謝るようなこと、したの？」

こんな風に言いたいわけじゃない。だけど本当は私だって悲しいだけじゃなくて腹も立っている。

『ちがう！そうじゃない！』
慌てて否定するテヒョン。

「いいよ、しょうがないよ。男の子だもんね、しょうがないよ。」

『ちがう！ヌナ、聞いて』

私は自分に言い聞かせるように無理やり笑顔を作ってテヒョンに言った。

「お酒は飲んでも飲まれるな、だよ、テヒョン」

『ヌナ…』

テヒョンは眉を下げて悲しそうな顔をする。なんであなたが、そんな顔をするの。悲しいのは私なんだよ。

なんて素直に言えるわけもなくて。