【Genshin】ならばあなたと生きましょう (ページ45)

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私は幸せな気持ちになりながら、ハーブティを飲む。感想を言うと、先輩は嬉しそうな顔をするから、沢山言いたくなってしまう。

「今日のハーブティはスッキリしてますね」
「あぁ、分かるかい？それは稲妻に咲いてるドクダミってハーブから作ったんだ。どう、気に入った？」
「はい！先輩の作るハーブティはどれも美味しいですから！」

可愛らしく頬杖をついて、首を傾げてくれるのも最高。ティナリ先輩をこういう造形にしようって言い出した神様っているんだろうか。だとしたら天才すぎる。感謝したい。
あぁ、悩んでたことも全部吹っ飛んでしまった。今までの悩みは、このテイワットの大きさと比較するとあまりにも小さい。問題でも何でもなかったな。

「それは良かった。僕の可愛い彼女に喜んで貰えたならなによりだよ」
「えへ……」

ティナリ先輩最高。短い人生のなかで、この人に出会えたことが1番の喜びだ。先輩に憧れて生論派になった訳じゃないけど、生論派じゃなかったら出会えなかった先輩だ。過去の私ナイス。
しかも彼女だって。えぇ、彼女です。私からアタックしようと思ったら、卒業式にティナリ先輩から告白されたのだ。人生勝ち組とはおそらくこういうこと。

「でも、いいのかい？賢者になることが夢だって言ってたのに、こうして森の環境整備に携わってて」
「いいんです！ちゃんとほかの研究との両立はできてますから。それに、ティナリ先輩の役に立てるなら、嬉しいです」
「……そう」

嬉しそうにはにかんだ先輩は、どこか愛おしげに私を見つめている気がする。自意識過剰と言われればそれまでだけど。

「君は本当に可愛いことを言うよね。僕まで照れちゃうよ」

くす、と小さく笑って、悪戯っぽく先輩は言った。そんなことを言ったつもりはないけどな。どれもこれも、本心だし、先輩の立てるならそれ以上のことは無い。

「そんなつもりはないんですけどね……狙ってるように見えます？」
「まさか！僕から見れば可愛らしいよ。学生自体にわらわらと集まってきた人達よりも、ずっと感じがいい」

あぁ、あれか。私が知らない頃の先輩。すごく持て囃されたと聞いたことがある。
好きでもないのに、どうして追いかけるんだろう。少し怖い、と思う。