【Genshin】ならばあなたと生きましょう (ページ42)

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私が怪我することを、怖がっているようにも見える。別に怖いことなんて何も無いのに。このままじゃ、私はついて行っても何の役にも立たないお飾りの相棒になってしまう。
それは嫌なんだよな。

「なんで、いいじゃん。セノが怒ってる理由も怖がってる理由も、何も分からないんだけど」
「お前には言っていないから、分かるはずが無い」
「当事者に何隠してんの！言えよ、なんであたしに戦わせないのか」
「精神的な負担をかけるかもしれない。あまり言わない方がいいと、ティナリからも言われている」

またティナリかよ！あぁ本当にイライラする。何かといえば、ティナリって。そんなに好きなら、あいつを相棒にすればいいのに。まぁ、なってくれるとは鼻から思ってないけど。レンジャーの方が性に合ってるだろうから。

「そんなにティナリが好きなら、あたしじゃなくてあいつに会いに行ったらいいじゃん！相棒枠もあたしじゃなくたっていいし、あいつのほうがずっと強いし！意味わかんない！」

どういう経緯で、どういう理由で、あたしが選ばれたのか分からないまま。友達をお願いねって言われて放り出されて、やることなんにも無いままで。来た意味ないし。セノ1人でどうとでもなってるし。

「っ、ちが、」
「違くないじゃん！私は七星召喚やらないから一緒にいてもつまんないし共通の話題ないし！体力なくてすぐへばるから情けないし頼りないくせに、大口叩くからめんどくせ～やつだって思ってるんでしょ！学生時代に先生と意見合わなくて喧嘩ばっかしてあんたの世話にもなったし、問題児だからっ」
「違う！」

セノは遮るように声を荒らげた。こんなに大きな声を出す人だったんだ、なんて今更だろうか。
ぎゅ、と抱きしめられて、頭を撫でられる。な、なんで。そういうのは好きな人にした方がいいんじゃないの。

「なに、やめて」
「やめない。泣きそうな顔をしていただろう。ごめん、俺のせいで」
「な、なんで謝るの。あたしが勝手に暴走して、泣きそうになってるだけなのに」
「泣いてもいい。俺しかいない」
「ばかじゃないの」

もう、意味わかんない。悲しいのか悔しいのか、怒ってるのか許せないのか。セノが優しい人なのか意地悪な人なのか。
なんであたしはここに来たのか。
情けなく涙が溢れてきた。ぐす、と情けなく音を上げて静かに泣いてしまう。その間も、セノは黙ってあたしを抱きしめていてくれた。