ページ ページ3
おお……分かってくれるとは。流石、栄誉騎士の名にふさわしい人材だ。
私は心の中で旅人を盛大に褒め散らかしてから、そうと決まれば! と気を改める。
「旅人、どうすればアルベドは笑顔になってくれるかな? やっぱりクレーを頼るのが1番?」
「それは絶対ダメだと思うな」
「そっか……」
まぁ……それはそうか。クレーに教えを問うたところで「クレーはどっかーん! ってすればいいと思うよ!」みたいな返事しか帰ってこないだろうし、協力してもらったとしても反省室行きになるだけだ。
でも……じゃあ他にどうしろと言うのだろう。
「旅人、セシリアの花だって贈ったんだよ」
「それでも微笑まなかったの?」
「そのときはちょっと照れてた!」
「へぇ〜……。じゃあさ、A。薔薇の本数で花言葉が変わるって知ってる?」
「マジ!? ……ってことは!?」
はわわ。旅人は本当に天才かもしれない。私が全てを理解したような表情をすれば、旅人は満足そうにニコニコと笑った。
「答え、分かっちゃったね」
「もしかしてコレ模範解答!? 旅人やっぱ天才じゃん!! 栄誉騎士になるだけある〜!!」
私は無理矢理旅人の手を取ってぴょんぴょん飛び跳ねた。祝福のつもりだ。旅人はちょっと困ったような顔をしてから、私に合わせてくれた。
ああ、風神バルバトス様。私は良き友を得たことを光栄に思います。きっとこれも、バルバトス様のご加護のおかげ……。
私は早速、旅人がくれた「模範解答」案を引っさげてモンドに帰還。もちろんジン代理団長にはこっぴどく叱られた。全力で謝った。
それから私は、フローラの店で薔薇を購入。残念ながら私には知識がないので、フローラに指導をしてもらいながら本数を決めた。
無い頭を動かしながらたくさんの意味を込めた薔薇を両手に、いつもアルベドがいるドラゴンスパインの研究所へと向かった。
177人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ