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遠いあなたへ 10 ページ10

身だしなみを整えた私たちは、屋敷の入り口でAさんを見送る。




ザクロ「嬢ちゃん…本当にいいのか?
せめて街まで送るぐらいなら…」



貴「いいって!
方角だけ教えてくれれば、自分で行けるよ。」



桔梗「…本当にお金はいらないのですか?」



貴「そんなの受け取れねーもん。
新しい服もらったし、食べ物もくれたし
それだけで十分!」




別れを惜しむザクロ達に、Aさんは明るい口調で返事をし続ける。






それは…きっと、彼女の優しさ。




寂しがらせまいとして…自分より他人を気遣える強さ。




未来で私たちの前から消えるときの、最後まで笑顔だった彼女の姿が重なった。





貴「それじゃ…お世話になりました。

ユニも元気でな。」




そう言って私の頭をポンっと叩いてから…彼女が歩き出す。




だんだんと離れていくその後ろ姿に…私は思わず声を上げた。





ユニ「Aさん…必ず、また遊びましょう!!

その時まで…どうかお元気で!!」




私の声を聞いたAさんが1度だけこっちを振り返ってからニコリと笑う。




そして再び…背を向けて歩き出した。






アリア「…これから彼女を襲う悲劇を…止めてあげられないのは、辛いわね。」




お母さんが私の肩に手を置きながらそう口を開く。




…そう…私とお母さんには見えている。


Aさんがこれからどんな人と出会うのかも…どんな苦しみを知るかも…




アリア「…でも、私たちが手出ししてはいけないことよ。
これはボンゴレとシモン…そして、虹の守護者の長い因縁。

部外者である私たちには…見ていることしかできないわ。」




そう諭すお母さんに、私は涙をこらえながら頷く。





そして…祈るように手を組み、旅立つ彼女の上に広がる大空へと願いを込めた。





ユニ(…どうか…Aさんや沢田さん達が
この困難を無事に乗り越えられるよう、見守ってください。)






そう想いながら閉じる瞼に浮かべるのは…
いつだって遠い、彼女の背中。





Aさんの背中にいつも私は守られるばかりで…何も恩返しなんかできない。





でもいつかきっと…その強がりな背中を預けられる人が



貴女を守ってくれる人が…現れますように。





そして…貴女が自分をきちんと愛せる日が来ますように。






私は、祈りを捧げる手に
少しだけ力を込める。






またいつか消えてしまいそうな、遠いあなたへ

私の祈りが届くことを願って。

標的98→←遠いあなたへ 9



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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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