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遠いあなたへ 8 ページ8

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アリア「…会えばいいじゃない。
彼女はあなたを恨んだり、拒絶したりしないでしょう?」





ユニちゃんの母…アリアの言葉にボクは黙って首を振る。





ボクだって、彼女に会いたい。




会って、話をして、抱きしめて…
また好きだって伝えながらそばで暮らしたい。




でも…まだ償いが終わってないボクにその資格はない。





「ボクが彼女の前にきちんと現れるのは、彼女に恩返しをするときさ。」






アリア「…そう。
案外、その時は近いかもしれないわね。」






アリアはそう言うとクルッと踵を返して部屋を去っていく。





ボクは部屋の中をそっと覗きながら…ユニの隣で寝転がるAちゃんを見た。





随分と疲れていたのか、すでに寝息を立てている彼女の様子を察し…

ボクは物音を立てないように部屋の中に入る。






「ふふ…風邪ひいちゃうよ。」





丸まるように寝てしまったAちゃんにきちんと布団をかけながらそう言うと、
彼女がぱちっとその瞳を開いた。



貴「…ん…?」



「!」



思わずビクッとして後ずさると…Aちゃんはボクの手を掴みながら口を開く。




貴「…白蘭…?

…なに、夢…?」





Aちゃんが寝ぼけていることに気づき…ボクは微笑みながら手を握り返した。



白蘭「…そう、夢だよ。
早く…本物のボクと会えればいいね。」




サラリと嘘をつくボクの言葉に…Aちゃんが、目の端から涙を流して目を瞑る。





貴「…うん…早く…会いたい。

…またお前と、友達になるんだ。」




そう言い終わるや否や、彼女はまた再び眠りに落ちる。



力が緩くなった手を離しながら…ボクは彼女の涙をそっと拭った。





白蘭「ありがとう…ちゃんと会えなくて、ごめんね。」





Aちゃんの額にキスを落とし、ボクは静かに部屋をあとにする。




…まだ、彼女に会うわけにはいかない。


彼女をたくさん傷つけたボクが簡単に幸せになってはいけない。




ボクが次にAちゃんと会うのは…全部償ったあとって決めたのさ。





白蘭「その時はまた、友達になってね。
…約束だよ。」






ボクはそう言って部屋の灯りを消しながらそっと扉を閉めた。


そしてそのまま戸にもたれて
ずるずると腰を下ろしながら…絞り出すように声を上げる。





白蘭「…やっぱり、好きだな。」






心臓を焦がすような恋しさと
胸を詰まらせる切なさが

透明な滴になって、ボクの瞳から零れ落ちた。

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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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