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標的132 ページ45

雲雀「…。」




…わからない。




イラついた理由も、まだおさまらない胸の鼓動も。




どちらも初めてのことでモヤモヤするだけだ。






貴『オレ 雲雀さんに話してよかった。
…本当にありがとうございます。』







一瞬だけ、僕の苛立ちを消した花村の言葉が頭の中でエコーされる。







…誰にも頼ろうとしない花村へのイラつきが
彼女が僕に礼を言った途端おさまるなんて…








雲雀(そんなの……僕が花村に頼られて嬉しかったみたいじゃないか。)






雲雀「…ありえない。」






自分で出した結論を否定し僕は正気を保つ。





雲雀(そうだ。
僕は単純に、あいつが1人でウジウジ悩んでるのが鬱陶しいだけさ。)





こんなのはきっと、一時の気の迷い。




あいつが未来で1人で抱え込んで1度死んだのを見ているから…


無意識にまたその事態になることを避けようとしているだけ。





あいつが消えたら僕を楽しませる奴が1人減ることになるから。








そう改めて結論付けたところに、制服を抱えた草壁が戻ってくる。





草壁「お待たせしました。
女子生徒用と男子生徒用、両方の制服を持ってきて…おや?
花村はどちらに?」



雲雀「鬱陶しいから帰らせたよ。
だからもう、それいらない。」



草壁「そ、そうでしたか…失礼しました!」




僕の指示を聞き、草壁が静かに廊下を引き返していく。









雲雀「…具合、悪い。」




頬杖をつきながらそんな独り言を呟く。





まだ引かない身体の熱が苦しくて、でも
そんな感覚が嫌じゃなくて…







雲雀(変な風邪でも引いたかな。)





そう思っていると頭の上の鳥が
デスクの上にふわりと降りた。






雲雀「…君、花村が気に入ったのはわかるけど
ここに呼び込むのはやめてよ。」





僕がムスッとしながら注意しても、小鳥は
何も考えていないような瞳で僕を見るだけ。







またため息をつきながら僕は
さっきの花村の笑顔を思い出す。






…相変わらずのマヌケ面。




なのに…もう少し見ていたいと思ったのはなんでなんだろう。





雲雀「…ムカつく。」






僕を悩ませる花村にまた少しイラっとしながら、僕は書類の整理を始める。





それでも花村を思い浮かべてしまう
切り替えのできない自分に戸惑いながら


僕は放課後、並盛中央病院に行くことを心の中で決意した。

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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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