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標的131 ページ44

雲雀「…夢は夢だ。
そんな曖昧なものに悩まされるなんて、弱い証拠だよ。」




いつも通り冷たい言葉を吐く僕に
花村は怒ることもなく、優しく返事をするだけ。




貴「あはは、確かにそうかも。
夢が本当に過去の出来事なのかはわかりませんし、気にしてもしょーがないですよね。」




パチッと目を覚ましたヒバードを肩に乗せ、花村が言葉を続ける。





貴「…そう考えたらちょっと気が楽になりました。
オレ、雲雀さんに話してよかった。

本当にありがとうございます。」





そう感謝しながら、目の前の彼女が
花が綻ぶような微笑みを浮かべた。





いつものボーイッシュな笑顔とは違うそれに
僕の中の苛立ちが消え…






なぜか、胸の鼓動が早くなる。






雲雀「…?」





思わず左胸のあたりを抑えるが鼓動がおさまることはない。






…心臓が鷲掴みにされたようなこの感覚には
戦闘とは違う高揚感があった。





その未知の熱意が僕の胸を満たし…
それを理解できない僕を、かすかに怯えさせる。









雲雀「…やっぱり僕は君が苦手だ。」



貴「え?」









小声で呟いた僕の声が聞き取れなくて
花村が首をかしげる。





僕はそれを無視して立ち上がり
自分のデスクに向かうと、
引き出しから一冊の本を取り出した。





それを花村に向かって投げると、開いた本が見事に花村の顔に命中する。




驚いて飛び上がった肩の小鳥が僕の頭に場所を移した。





雲雀「…僕は忙しいんだ。
用事が終わったならそれ受け取ってさっさと帰って。」



貴「いてて…。
あれ、これ…REBORN!のマンガですか!
うわーい、ありがとうございます!
あれ?でも制服は…」




小学生みたいな喜び方をする花村から目を逸らして、僕はシッシッと手で追い払う仕草をする。



雲雀「君にそこまで恩を売ってやる気がなくなった。」



それを聞いた花村は、苦笑いをしながらドアノブに手をかけた。




貴「えっと…お邪魔してすみませんでした。
一旦家帰ってまた登校しますね。」




ペコリと頭を下げ、花村が帰っていく。








僕は部屋を出て行った彼女の足音が遠のいたのを確認して…
はぁーっとため息をついた。

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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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