標的126 ページ39
貴「もー…完璧遅刻だし、酷い目にあった…。」
数百メートル先の並中から始業を告げるチャイムが鳴り響く。
さっきまで一緒に走り回っていたアーデルさんは、オレを諦めてちゃっかり登校したようだ。
貴(ま、秩序を守る人が遅刻とかできねーもんな。)
それにしてもひどくやってくれたもんだ。
そんなことを思いながらオレはパッと自分の服を見る。
貴「シワシワ ボロボロ…。」
寝起きから追いかけられていたオレは、逃げながら器用に身支度ぐらいは整えたが
やっぱり制服だけはどうにも整わなかった。
というかむしろ悪化した…。
貴「炎真、予備の服とか持ってねーかな…
いや、登校してるから勝手に借りるわけにも…」
とにかく一旦家に帰るしかないか。
攻撃を受けて裂かれた上着を脱ぎ、
民宿の方へ引き返そうとすると…
軽い感触が肩に触れた。
貴「…ん?
あ、お前!」
バッと右肩を見ると…そこには見知った黄色い鳥。
愛くるしい目をしたヒバードがオレをじーっと見つめていた。
貴「どうしたんだ〜?
また迷ったのか?並中はすぐそこだぞ。」
デレっとした顔をしながらヒバードを指に乗せ、オレはもう片方の手で並中を指差す。
しかし、ヒバードは飛び立とうとはせず
オレの手に乗ったままだった。
貴「?」
じーっと見つめ合うが
ヒバードはたまに首をかしげながら、おとなしくしているだけ。
貴「んー…飛ぶの疲れたのか?
悪いけど、今日は雲雀さんのところに連れてってやれねーぞ。
オレは今から帰るんだから。」
そう言って民宿へと引き返すがヒバードは動かない。
ただ、そのつぶらな瞳で…オレの顔を眺めるだけ。
貴「…。」
ヒバード「…。」
貴「…。」
ヒバード「…ヒバリ…。」
貴「……だぁあ!分かったよ!雲雀さんのところに送り届ければいいんだろ!?
だからそれ以上可愛い顔でこっち見るな!撫で回すぞ!」
なぜか1人で半ギレになりながら、オレは並中へと小走りで向かい出す。
貴(応接室…雲雀さんもアーデルさんもいませんように!)
そんなことを願いつつ風紀委員を警戒しながら、オレは閉じられた校門を軽々と飛び越えた。
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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
優 - ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
優 - 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
優 - いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:・ | 作成日時:2016年5月29日 22時