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標的120 ページ33

鈍感な僕にでも、ツナくんがAを見る視線が
他の人に向けるものとは少し違うことくらいはわかる。





炎真(Aの気持ちはわからないけど…
あの2人、仲は良いんだよね。)





ツナくんの横で、彼を見ながら優しく微笑むA。




もう何度も学校で見たその光景を思い出していると…
突然胸がモヤッとしたのを感じる。




炎真「…ん?」





思わず立ち止まり、自分の胸に手を当てるが…そのモヤモヤはすぐに晴れそうではない。




炎真(なんだろ…お腹減ったからかな。)





そんなことを思いながら部屋のふすまを開けようとすると…

隣のAの部屋から規則的な寝息が聞こえてきた。






わずかに開いたふすまの間から覗き込むと、
たたんであった布団の上に
制服姿のAが雪崩れこむように寝ている。





どうやら着替える間もなく寝落ちしてしまったらしい。



…僕は静かに部屋に入り、Aをそっと揺り起こす。





炎真「A…そのままじゃ風邪ひくよ。
布団敷くからちょっと起きて。」



貴「んむ…?」




僕の声で目を擦りながら起きたAの
その気が抜けた声に思わず微笑みながら、

僕はすぐに布団を敷いてやりAに寝転がるよう促す。




貴「…ありがと、炎真ぁ…」




ボフッと寝転がった彼女の上に掛け布団をかけてやると、彼女は笑顔で感謝の言葉を述べた。





僕はその慣れない言葉に照れながら、再び寝息を立て始めたAの顔を見る。





制服、皺になるけど…着替えさせるのは無理だからしょうがないよね。とか

部活見学のあと隣町に行って、さらにツナくんの家まで走ったんだから疲れてたんだろうな。とか




色んなことを考えながら見下ろすAの寝顔に

なぜだか僕は胸が温かくなるのを感じる。






炎真(…この子のそばに、いたい。
…守りたい。)




日を増すごとに強くなるその想いは、
継承式を狙う敵の存在を知ってさらに強くなった。





炎真(Aに手を出す敵は…僕が倒す。)





それは、彼女への友情なのか
昔守れなかった妹の影を重ねているのか



それとも…もっと単純で、僕がまだ気づいていない感情のせいなのか。




どれなのかはわからないけど…絶対に、偽りではないと断言できた。






炎真「…おやすみ、A。」






小さな声でそう言って、電気を消してから部屋を出る。





この時…寝ている彼女がどんな夢を見ていたかなんて、
僕には知る由もなかった。

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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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