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標的112 ページ25

クロームside





暗くて、じめじめしてて、少し埃っぽい…




そんないつも通りの黒曜ヘルシーセンターで
私たち3人は今日も、それぞれのペースで日々を過ごす。





犬「んあ〜…腹減った。」




ソファーの上に座っていた犬が、間延びした声でそう口を開いた。



背もたれに体を預け、ベロをだらりと出しながら天井を仰ぎ見ているその姿から察するに
動くのも怠いほど腹ペコみたいだ。




そんな彼の横で、メガネの少年…千種が
割れた窓から外を見る。





千種「もう日が暮れる…買い物、行かないと。」




そう言うと、千種は財布を取り出し始め
その気配を察した犬が体を起こして千種を見る。





犬「柿ピー!今日は俺がおつかい行くびょん!」



目をらんらんと輝かせてそう話す犬の提案を、千種が即座に…そして淡々と却下した。




千種「ダメ。…絶対無駄遣いするから。」



犬「…ちぇっ。」




いつもならもっと食いさがるのに、そんなことをする気力もないほどお腹を空かせたらしい犬は、
そのままふて腐れるようにソファーに横になった。




2人の会話をオロオロと見守っていた私は、そこでようやく声を出す。





クロ「あの…買い物なら、私が…」





そこまで言いかけたところで…センターの入り口から『パリッ』という音が聞こえてきた。




私たち以外の人間がいない建物内で、その小さな音は容易に私たちの耳に届き…侵入者が来たことを告げる。




全「「!」」




今のはガラス片を踏んだ音…。

まさか、敵…?




千種がチラリと犬を見ると、ソファーから降りた犬が鼻をクンクンと動かしてから言った。





犬「…動物じゃない。
これは人間の臭い…しかも、最近嗅いだばかりの新しいやつだびょん。」





最近嗅いだ…ってことは敵じゃない?




なら…ボス?

ううん、それなら…犬が匂いでわかるはず。





クロ(…なら、誰が……)






三叉の槍から手を離さずに考えていると、
足音は彷徨うように少しずつこちらへ進んでくる。




そしてその人物は、部屋の中の私たちの気配に気づき…
壊れた扉をゆっくりと開けた。





その瞬間
緊迫して強張る私の耳に、聞き慣れた中性的な声が聞こえてくる。






貴「よっ、3人とも!」





クロ「…A!」







扉を開いた先には、買い物袋を携える
男子制服姿のAが立っていた。

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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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