過去という名の光。Ⅱ (ページ17)

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貴方じゃなきゃページ17

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気づけば家の前に来ていた
とことんめんどくさい女だなー、、

でも、聞いておきたかった

一緒に過ごした日々は紫耀にとって何だったのか
私を好きでいてくれたのか

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震える指先でインターホンを押した

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インターホン越しに放たれた言葉は酷く冷たいものだった。

「……なに？迷惑なんやけど」

「聞きに来たの」

「は？」

「紫耀は、少しでも私の事好きでいてくれた？」

「…」

自分で聞いたはずなのに、答えを聞くのが怖くてろ聞きたくなくて……

「ごめん、やっぱなんでもないっ、」

その場から立ち去ることしか出来なかった
溢れ出しそうになる涙を堪えてエレベーターに乗る

もう二度と乗らないであろうエレベーターの閉ボタンを押す。扉が閉まると同時に、紫耀とはもう一切会わない、と紫耀との関係に終止符を打つのだ。

完全に扉が閉まり切ろうとした時だった。
閉まる扉は人の手によって制御された。

俯いていたから人が居ることがわからなかった
ぐちゃぐちゃになった泣きっ面を人に晒すことは出来ず、俯いたまま「すみません」と吹く。

「……なんやねん、すみませんって」

「へっ、」

その声に思わず顔を上げる

「………なんで、」

「なんでやないやろ、答えも聞かずに立ち去るとか意味わからんわ」
「それに、お前の答えも聞いてへんし」

「だって、紫耀は……」

「だってもなんもない、」

紫耀は私の手を引き力強く抱きしめた、
骨が折れそうだけど、今こうして紫耀に触れていられることだけで幸せだった。

すぐ後ろでは誰も乗っていないエレベーターの扉が閉まる音がした。

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