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お仕事 ページ8

蔵持「律お兄ちゃん」

「久しぶりだな、百華」

蔵持「やっ、と、、、やっと会えた(涙」

蔵持さんは天乃玉王様、改め志野律さんに抱きつく。深雨が彼の神社を守ってくれている間、彼をなんとか外に連れ出すことが出来た。いつもよりも手の掛かる依頼でしたけど、無事に終わりそうですね。

蔵持「ありがとうございます。本当に」

兄「いえ、我々は依頼を遂行しただけです。それでは、僕は1時間ほど席を外させていただきます」

此処からは2人だけの時間。僕は聞いても、見てもいけない。
それにいくら深雨といえど、半日しかあの子の妖力は持たないでしょう。なので、短い時間しか与える事はできませんでしたけど。
そして、蔵持さんにとって彼に会えるのは最後になる。今回は無理矢理、深雨に天乃玉王様の役割を代わってもらっているから彼は彼女の前に姿を表せました。しかし、それは何度もできない。何回もしてしまうと、深雨が神気に耐えれなくなり、神の領域に関わってしまう。それは天乃玉王様も分かっておられるはず。だからこそ、きちんと別れを告げてほしいですね。



〜2時間後〜



蔵持「蒼さん、ありがとうございました」

兄「いえ。もう、心置きなく話せましたか?」

蔵持さんは目元が赤くなっているけど、とても晴れ晴れした顔をしている。

「あぁ、今までのこと、これからのことを話すことができた。礼を言う、情報屋」

蔵持「こちら依頼料です。どうか、お確かめ下さい」

今回は、少し高く着くんだよね。まぁ、これで頑張ってくれた深雨のために少し奮発しましょうか。

兄「確かに受け取りました。では、蔵持さん。次のご依頼も是非お待ちしています。失礼します」

蔵持「本当に、ありがとうございました。
  じゃあね、律お兄ちゃん。また」

「あぁ、また。縁があったら会おう。百華、幸せに」

人は必ず出会いと別れを繰り返す生き物。わかってはいるけれど、なんだかこちらも悲しくなってしまいますね。

「では、帰るぞ」

兄「はい、わかりました」

僕達の帰り道、蔵持さんは僕らが見えなくなるまで手を振り続けました。それを一度だけ、天乃玉王様は振り返り歩いて離れていきました。
さて、深雨を待たせていますし急いで戻りますか。

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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2023年1月9日 20時

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