お仕事 ページ3
蔵持「あ、宜しくお願いします。
思っていたよりも、お若い方々なのですね」
兄「確かに。僕らはまだ年齢的には半人前かもしれません。しかし、情報屋としての腕は確かですよ?」
蔵持「ごめんなさい!
別に、疑っていた訳じゃないんです。ただ、驚いてしまって」
妹「大丈夫だよ。よく言われることだからね」
兄「さぁ、早速お話を伺いますね。それで、今回僕らから何の情報をお買いになられるのですか?」
出来るだけ、こちらの情報を明かさないようにするために世間話はそこそこで終わらせる。迅速に取引を済ませたいしね。
蔵持「あの、私人を探してるんです。お願いします、その人が今どこで何をしているか。情報を頂けませんか?」
どうやら、その探し人に彼女は相当思い入れがあるようですね。一気に、彼女のオーラから激しさ、そして焦りを感じます。
妹「ヒトね。なんで、態々私らに?普通人探しは探偵とか雇えばいいでしょ?」
たしかにそうですね。僕らのような情報屋の方が、お金も高く付くというのに。
蔵持「実は、既に3人の探偵さんに依頼はしていました。どの方も、その人を見つけるどころか何の情報を得ることが出来ませんでした。例えば、彼の知人も見つけることも出来ず。彼の生い立ちも何も。なので、貴方達にお願いをしに来たのです。
お願いします、もう頼れるのは情報屋さんしかいないんです」
成る程。それは、とてもお困りでしたね。
兄「わかりました。どうやら、蔵持さんの焦り具合からするにもう時間がないのでしょう。このご依頼、お受けいたします。
では、早速ですがその男性のお名前など、分かることを出来るだけ教えてください」
蔵持「あ、ありがとうございます。というか、何故男性だと、、、?」
兄「すみません。先程、貴女が彼と言っていたので。男性なんだと認識していました。間違えていましたか?」
蔵持「そうでしたか!?
けど、話しは早いですね。私は、あと2週間後に結婚するんです」
兄「それは、おめでとうございます」
妹「おめでとうございます」
その男性は結婚相手では無さそうだし、彼女の雰囲気から後ろめたさも感じない。一体、何の関係が?
蔵持「志野律。私の探し人の名前です。彼は、私が小さい頃よく遊んでいたお兄さんです。小学校高学年の頃に私が転校して、疎遠になっていて。でも、結婚式にどうしても彼を呼びたいんです。お願いします、彼の情報を買わせてください」
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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2023年1月9日 20時