悪魔の実なんて食べなきゃ良かった

プロローグ ページ1

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あの日から、貴方の為に生きてきた。
それはとても幸せな日々だった。

何一つ不自由のない生活。








「お前を利用して、すまなかったな。」









私の悪魔の実が目当てで私を育てていたと彼は言うけど、それだけじゃないことを私は知ってる。

だって、彼は一度も私に死ねと命令しなかった。

彼はベビー5のあの癖を直さなかったくせに…、彼女は死ねと言われれば死ぬような子だから。言う通りに生きるいい子。反対に、私は彼の命令を聞かない悪い子だった。










「俺の為に死ねって言わないの？」

「…お前だけは、俺の為に生きろ。」










そういうドフィは嬉しそうに笑ってた。

あぁ、ドフィへの想いはきっと実らない。だから、来世でまた貴方に会えたらその時はもう一度ちゃんと言おう。貴方のおかげで私は生きて来れたから。

貴方のおかげでこんなにも幸せになれたから。









「ねぇ、ドフィ。」

「なんだ。」









麦わらの彼にやられてボロボロな彼の目に私が映ってた。
いつも誰かが映っていたその目には、今は私だけなの。

愛より歪んだ呪いは無いなんて、誰かが言った。

けど、それでもいいの。
私はずっとドフィを大好きだから。










「愛してる、この世の誰よりも。」











あぁ、悪魔の実なんて食べなきゃ良かった。

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