雨が144粒。 ページ6
学秀は片岡さんの言葉に、勘違いするな、と云った。
「『父親だろうと蹴落とせる強者であれ』
そう教わって来たし…そうなるよう実践してきた。
人はどうあれ、それが僕等親子の形だ。」
それに、だが、と付け足した。
「僕以外の凡人はそうじゃない。
今のA組はまるで地獄だ。
E組への憎悪を唯一の支えに、限界を超えて勉強させる。もしあれで勝てなかったら…彼等はこの先その方法しか信じなくなる。
敵を憎み、蔑み、陥れる事で手にする強さは限界がある。
君達程度の敵にすら、手こずる程だ。
偏った強さの手駒では…
___時として敗北は…人の目を覚まさせる。
___だからどうか…
_____正しい敗北を、僕の仲間と父親に。」
そう云って、学秀は頭を下げた。
あの学秀がE組なんかに頭を下げるなんて、正直吃驚した。
でも、そんな学秀でも他人を気遣っているのだ。
成長したな、と頬が緩む。
そう思っていると、ある人が学秀に、
「え、他人の心配してる場合?1位取るの君じゃなくて俺なんだけど。」
何時もの様に、挑発と思われる口調で云った赤羽君。
其の言葉に学秀は額に青筋を浮かばせた。
「言ったじゃん。次はE組全員容赦しないって。
1位は俺で、その下もE組。浅野クンは10番あたりがいいとこだね。」
赤羽君の1位宣言に茶化す、村松君、竹林君、寺坂君。
それに顔を赤くする赤羽君。そして、寺坂君の鳩尾を膝蹴りしていると、浅野、と磯貝君が声を掛けた。
「今までだって本気で勝ちに行ってたし、今回だって勝ちに行く。いつも俺等とお前らはそうして来ただろ。
勝ったら嬉しく、負けたら悔しい。
そんでその後は格付けとか無し。
もうそろそろ、それでいいじゃんか。
『こいつ等と戦えて良かった』…って、
「余計な事考えてないでさ、
殺す気で来なよ。それが一番楽しいよ。」
首に人差し指を中て、其の侭スライドさせ乍ら云った赤羽君。
それに口角を上げた学秀。
「面白い。ならば、僕も本気でやらせてもらう。」
そう云うと、歩き出した。
そして、私を見付けると立ち止まった。
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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時