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雨が151粒。 ページ13

さて皆さん、と湯呑み片手に話し出した殺せんせー。





「晴れて全員E組を抜ける資格を得たわけですが…この山から出たい人はまだいますか?」


「いないに決まってんだろ。」


「二本目の刃はちゃんと持てたし、こっからが本番でしょ。この教室は。」


「こんな殺しやすい環境は他に無いしね。」





テストも凡て返却し終え、各自席で武器を殺せんせーに笑顔で向ける。





「ヌルフフフ 茨の道を選びますねぇ。」




生徒からの攻撃を避け乍ら云う。





「では、今回の褒美に先生の弱点を教えてあげ…」





其の瞬間、何かの破壊音と共にE組校舎が大きく揺れた。



一人の生徒が窓から身を乗り出し、外を見た。そして、





「なっ…何で!?校舎が半分…無いッ!!」




と云った。


それに続いて、退出の準備をして下さい、と声がしたので見てみると、浅野理事長が居た。






「今朝の理事会で決定しました。この旧校舎は今日を以て取り壊します。


君達には…来年開校する系列学校の新校舎に移ってもらい、卒業まで校舎の性能試験に協力してもらいます。」


「し、新校舎ァ!?」


「監視システムや脱出防止システムなど、刑務所を参考により洗練させた新しいE組です。



牢獄のような環境で勉強できる。



私の教育理論の完成形です。」


「い、今さら移れって…」


「嫌だよ!!この校舎で卒業してぇ!!」





次々に窓から身を乗り出し、非難の声をあげる生徒達。






「どこまでも…自分の教育を貫くつもりですね。」


「…ああ、勘違いなさらずに。



私の教育にもうあなたは用済みだ。今ここで私があなたを殺します。」





そう云って、理事長が殺せんせーに見せたのは、"解雇通知"だった。






「こ……殺せんせーの解雇通知!?」


「…とうとう…禁断の伝家の宝刀抜きやがった。」






解雇通知を見た殺せんせーは、はわわわわわ、等と云い乍ら震えてデモ活動をしていた。



そんでこれ面白いほど効くんだよ、このタコには!!、や、超生物がデモに訴えるのはどうなの?、と先生にツッコム生徒達が然り。




そんな中、私は舌打ちした。





「おい、名前。」


「仕方無いでしょう?私は理事長に殺せんせーを殺されたくないんです。」





この会話だけを聞けば、皆は何の疑いも無く私に賛同するだろう。



だが、私は皆とは意味が違う。






私自身が、殺せんせーを殺したいのだ。

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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時

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