七海建人の限界オタクは呪霊操術師に恋される 2【呪術廻戦 / 夏油傑 / 七海建人】

"Remember"　夏油side ページ43

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夏油side





あのときの屋上…

特に変わりはなかった。







5人がいた辺りの淵を手でゆっくりとなぞる。





「私たちは何故ここから…」



…覗き込んでいたのか。


一体何があったのか。









私と七海はあのときと同じようにしてみた。


…だが、普通に道路と車と人が見えるだけだった。






そのとき、


「っ！！」


淵に添えていた手に何かが当たった。


2枚のタロットカードのようなもの。






「七海…！これを見てくれ！」

「っ！！」





そのうちの一枚には、マップを持った冒険者のような人物。


＿＿＿"Serch"





そして、もう一枚には…



＿＿＿"Remember"


の文字と、



…ある女性の絵が描かれていた。





その女性が目に入った瞬間から、私は無意識に涙を流していた。





「…っ、」





分からないのに…

涙が止まらない。






「夏油さん…」




涙で歪んだ視界には、今にも泣きそうな七海がいた。






「このひと…」


「っ分かる、のか…？」


「…いえ、でも」と七海が私が持つ彼女のカードに少しだけ触れたとき、"Remember"と書かれたカードがじんわりと光り出し…


そして、ある女性の声が頭の中で鳴った。





＿＿＿"思い出して"





それは聞いた事がある声だった。





七海の頭の中にも鳴ったようで、私と七海は顔を見合わせる。





その柔らかい声が、頭の中で反芻する。






思い出して…


思い…出して…


思い…






「…う、」




…思い、出した。






涙がさらに堰を切ったように溢れてくる。






「…っう、う、うぁ、うああああああああああああああああーーーーーーーーー！！！！！！」





A…！！！！




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