七海建人の限界オタクは呪霊操術師に恋される 2【呪術廻戦 / 夏油傑 / 七海建人】

この村の秘密 ページ18

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Aside






『え？』
 

「私たち家族は息子が8才になる年にこの村に引っ越してきました。
 
それは夫が言ったからです。
自然が豊かで空気もきれいだし、子どもたちがのびのびと暮らせると…
 
夫はこの村の出身でした。なので、地元愛なんだろうとなんの疑いもせずに…」




『どういうことですか…？』
 
「あの似顔絵は…うちの息子です」


『！？』



うちの息子？

いや、でも、彼は行方不明になってて、

で、両親は亡くなってて、

え？



「いや、正確には息子に…似ている、ですね。

ちょっと待っててください」




彼女はそう言って、スマホを操作し始めた。

暫くすると、誰かが階段を降りてリビングに入ってきた。




『！？』

「私の息子です」



彼は、似顔絵の人物にそっくりだった。




『ちょ、ちょっと待ってくださいね…』




状況を理解するのに少し時間が必要だった。



似顔絵の人物と彼は別人。

似顔絵だから、別人と似ていてもおかしくはない。

だから、"Serch"は似ていた彼の居場所を私に案内した…



写真だったら実際に行方不明になってしまった子のところに案内してくれてたのかもな…




『なるほど…』


「その行方不明になった子もその子の両親も私は知っています。

子どもたちの顔の雰囲気よく似てるねーってよく言ってて、でもよく見たら全然違うんですよ？

でも、そこから仲良くなって、お互いにこの村の外から引っ越してきたことがわかって、そこでもまた意気投合しました。

私のこの村での唯一の友達だったんです」



『あなたは、その行方不明になった子のご両親が…』


「…亡くなったことは知っています。
でも、絶対に心中なんかじゃありません。

最期にメールが来てたんです。

あの子を見つけるまでは絶対に何がなんでも諦めない…と」




彼女は、「そして、そのメールにはこの村の秘密についても書かれていました」と続けた。




『秘密？』


「はい、私がそのとき初めて知った秘密です」



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