七海建人の限界オタクは呪霊操術師に恋される 2【呪術廻戦 / 夏油傑 / 七海建人】

どこの出身ですか？ ページ16

.
Aside





その人は40代くらいの女性だった。

 
私は"白いビニール紐で縛られ"、リビングの椅子に座らせられた。

これこそが条件。



うん、わかるよ。

こんなね、不穏なことが起こっている村で誰も入れたくないよね。入れるにしても何も対策せずなんて嫌だよね。

わかる。



でも、ここまで警戒するということは、私はこの人を信頼できるようにも思える。


だから、とりあえずはこちらが信頼してもらえるようにしないと。




 
彼女は、「あなたの持っているその似顔絵はなんなんですか。誰から貰ったんですか」と捲し立てるように言った。
 


『…この似顔絵はこの村で行方不明になっている子どもの絵です』

「っ！」



その時、彼女の表情が変わった。



『捜索願いが出された時に両親から提出された写真は紛失し、家にも残っていなかったそうです。だから、県警が似顔絵を…』

「つまり、その似顔絵はこの村の外部の人間が描いたということですね」

『はい』

 
「そう、ですか…」




それから暫く沈黙が続いた。




「でも、私は…まだあなたを信用することは…できません。

なので…私が欲しい情報だけを聞いてもいいですか…？」




 
こっちも情報をもらわなければ八方ふさがりになるけど…

…とりあえず様子を見ようか。




 
『わかりました』


「あなたはどこの出身ですか？」
 



『はい…？』



.

腐っているんです→←家に入る条件

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す