木造なら燃える ページ6
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「じゃあ、どうやって入るのよ…」
毛倡妓がそう言って項垂れた。
「雷に強いのは…地だ」
首無が呟き…
「地は…雷を逃す」
リクオがそれに続けた。
すると河童が首を傾げて言った。
「でも、大地系、土系の技使える妖怪ってウチ(奴良組)にいましたっけ…？」
「…いや、いない」
昔はいた。
リクオの姉、莉音が健在だった頃は。
…土蜘蛛とかいうやつが。
と言っても、奴良組とは言えないかもしれない。
莉音の言うことしか聞かなかったのだから。
あのとき、莉音の訃報を知った土蜘蛛は…
ふざけんな。
あの小娘なに考えてやがる。
ふざけんな。
ふざけんな。
散々莉音への文句を言った挙句、姿を消した。
それ以来、誰も行方を知らない。
ふるさとの九州にも戻っていないようだったし、どこかで暴れてるなどの噂も聞かなかった。
どこで何をしているのか知っているものはいない。
だが、その時の土蜘蛛の心は確実に…
…泣いていた。
…
リクオは我に返って軽く首を振る。
考えていても仕方ない。
早くこの屋敷への侵入方法を見つけ出さねば。
ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ
焦った首無は自身の紐を放っていた。
一瞬の隙でもなんでもよかった。
なにか突破口になるようなものを見つけられれば。
「首無…！焦るな！」
「……リクオ様…」
「お前ら下がれ」
「「「え？」」」
「あれは妖怪とはいえ、木造だ。
だったら…燃えるだろ」
「「「っ！」」」
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奥義・明鏡止水"桜"____
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作者名：怜。 | 作成日時：2020年8月13日 13時
