奥義・"水龍の天罰" ページ13
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「なにをする！！」
ホースの水を顔にかけられたような感覚。
彼女の分身は男の体内に侵入した。
胃液をひっくり返し、血液の流れを速めた。
体液という体液を暴れさせた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！」
男の叫び声が響く。
しかし、彼女も妖力を抑えられている身。
その技を長くは続けられないし、もうすでに大量の汗を流していた。
『…っはあ、はぁ、はぁ…』
しかし、彼女のおかげで男に隙が生まれた。
その隙を狙って、河童がミズチ玉を喰らわせ、毛倡妓が髪を広げ伸ばして男を捕らえ、リクオが袮ヶ切丸で男の腹を刺した。
その間に首無は彼女の鎖を目掛けて、弦術・殺取 "蛇行刃"を放ち、切り刻む。
首無は彼女が真下の水に落ちる前に、紐で優しく支えた。
首無は力が入っていない彼女を優しく強く抱き寄せた。
「A…！ごめん…！ごめんな…！」
彼女は小さく微笑み、軽く首を振った。
『…いいの。
いずれ、こうなってたはず』
「A…」
『今は奴の息の根を止めないと…』
「……あぁ…」
男は既に袮ヶ切丸の退魔の力で相当消耗していた。
「畜生…」
彼女は首無に支えられながら男の前に立った。
『もう、なにも言わないし…何も聞かない…
…でも、あんたは私が…
あんただけは私がトドメをさす…！』
「ち、ちょっと待ってくれ…！
ただの遊びだよ！戯れだよ！
ちょっと構ってほしかっただけなんだ！
本当に君を愛していたんだよ！
だから、許してくれ！
もう君に手を出すことはしないから！」
男も腹から血と畏れを垂れ流しながら叫んだ。
急に滑稽な命乞いをし始めたその男に対して、そもそも抱いていた嫌悪感と憎悪感を増長させた。
『…言いたいことは、言った…？
もう…いいよね…』
彼女は無表情だった。
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奥義・"水龍の天罰"____
彼女の掌から解き放たれた巨大な水龍は男の首を掻き切った。
男は断末魔の叫びと共に、散り散りになって消えた。
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作者名：怜。 | 作成日時：2020年8月13日 13時
