並盛在住ですが黒曜生です 4【REBORN】

第180話『姉御』 ページ31

彼氏が欲しい！といつでもどこでも言っているうちのクラス肉食女子担当の由依。
でも、欲しい欲しいという割に由依は向こうから来られると突き放してしまう。

割り切った関係の方がいい。

私にはそういう風に見えていたんだけど……。



由「……別に嫌いではないよ」

「そうなの？」

由「ただ……本気になりたくないだけ」



そう言った由依の目は悲しい目をしている。

私が見ていることに気づいたのか、ヘタクソに笑いながら「しょうがないから話してやんよ」と言ってきた。



由「私、1年の最後らへんに転校してきたじゃん？」

「…？うん」

由「実はさ、前の学校で担任と付き合ってたんだよね〜」








………っは！？



辛うじて声には出なかったけど私の心の中はパニックを起こしている。そりゃ、変な時期に転校生来たとは思ったけど…まさか…………そんなことがあったとは。



由「それがバレて…まぁ居た堪れなくなって両親共々こっちに来たってわけ。うち、金だけは持ってるからどうにか警察沙汰にもなんなかったし」



由依曰く、前の学校では優等生だったらしい。なるほど、だから基礎は出来てるのかコイツ。

でも、


『まじ優等生うざいわ〜』
『ちょっと顔がいいからって先生に媚び売ってんじゃねぇよ』



そこに彼女の居場所は無かった。

そんな時、声を掛けてくれたのが新任教師で数学担当の水川先生。


『先生はお前の味方だぞ』
『由依、好きだ』




．





由「で、付き合ってた……と思ったんだけど……違ったみたい。

バレた瞬間に先生は全部私のせいにして逃げた」

「っ…」

由「笑っちゃうでしょ？そん時学んだんだよ、本気になっても傷つくだけなんだって。
……誰も助けてはくれないんだって」



目を伏せた由依。
つか、その水川とかいうクソ担任ぶっ飛ばしてやりたいんだけど。



「………」

由「暗いわ、バカ。アンタに元気がなかったらクラスも心無しか静かなんだからいつも通りアホみたいに笑ってなさいよ」

「ねぇひどくない？？？」

由「………私は平気よ。この学校に来て良かったって本気で思ってるから」



………強いなぁ、由依は。
そういうところ、憧れてしまう。

見た目、可愛いんだけど姉御肌というかなんと言うか。



由「で、A。古典の先生からテストの答え貰ってたりしないわけ〜？」

「んなわけあるかい」

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