2話~必ず私を頼って欲しい~ ページ3
膝に肘を置き頬杖を付く半戸さん
何でも彼女は幼い頃からここの店主と顔馴染みで、祖父とのご関係で今ここで働かせてもらっているらしい
両親は幼い頃に戦火により失い、その代わり祖父に預けられて育てられたらしく今ではもうその祖父も他界してしまっている
現在は祖父の孫という事で看板娘をやりながらこのお店の店主ご夫婦と共に暮らしているらしいが
………もし、本当にこのお店が無くなってしまったら彼女はいったい何処に行けば良いのだろうか?
貴女「それにおじ様とおば様も大分年老いてますから……ここ最近じゃ朝の支度も私がやってるんですよ?
自分達がまだやるって聞かなくて、これじゃあいつぶっ倒れても可笑しくないくらい働いてるのに…」
土井「あはは……所で、その店主ご夫婦は?」
貴女「例の甘味屋に行ってます、最近は美味しいって言ってお店を留守にして商売敵の所に行ってます」
土井「げ、現金だな……;;;」
確かに、記憶にある店主ご夫婦は割と物事をキッパリと見切りをつけて行動している印象がある
また自分達に素直で美味しかったら美味しいで作業投げ出してまでふらりとどこかへ行く様な面白い人たちだ
だからこそ、こんな隅っこでも昔からこのお店は続けられてきたのだけれど……時代は甘くないからな
土井「半戸さん」
貴女「?はい」
土井「もし、もしだけれど……何かあったら何時でも私を頼ってください
貴女の為ならなんだって力になりますから」
貴女「!……そう、ですねぇ…ありがとうございます土井さん!」
一瞬心地の良い風が吹き、光加減によって紫色にも見える綺麗な半戸さんの髪が宙に舞う
………彼女が望むなら、今すぐにでも現状をどうにかしてあげたいけれど
分かったことがある
貴女「取り敢えずここには大変お世話になりましたし、最後まで行く末を見ていくつもりです
突然私が消えても、恨み言は零さないでくださいね?」
土井「おや、私が半戸さんが消えたら恨み言幾つも零すような人間にお見えで?」
貴女「はははっ!……土井さんと私はとても仲のいい友人ですから、優しい貴方はきっと心配して下さりますでしょう?
貴方を取り巻く環境も、きっと貴方のそういうところを気に入って巡回していそうです」
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ラピ(プロフ) - 元薺(サイ)だった者さん» 返信ありがとうございます!今後も楽しんで読ませて頂きます (2023年5月5日 10時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
元薺(サイ)だった者(プロフ) - ラピさん» おっと早速カプの組み合わせに選択が…!コメントありがとうございます!ぜひ今後とも楽しんで読んでいって下さい! (2023年5月5日 1時) (レス) id: 5a1541447c (このIDを非表示/違反報告)
元薺(サイ)だった者(プロフ) - 加茂&夏油の嫁さん» わぁコメント!ありがとうございます!!少し遅くなると思いますが頑張りますね!! (2023年5月5日 1時) (レス) @page30 id: 5a1541447c (このIDを非表示/違反報告)
ラピ(プロフ) - 小平太と夢主ちゃん楽しそうだな〜(遠い目)土井先生と夢主、勘ちゃんと夢主のカプありですね (2023年5月4日 22時) (レス) @page33 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
加茂&夏油の嫁(プロフ) - 神作者様…めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2023年4月27日 2時) (レス) @page12 id: ef07d69be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2023年4月26日 22時