235話 ページ41
飛び出してきた浅葱色の羽織が主を隠そうと大きくはためく
小狐丸とほぼ同時に飛び出して刀を抜いて牽制すればあっという間に広間は殺気で満ち満ちた
小狐丸「主様に触るな」
犬歯を剥き出しにした小狐丸がその腕の中に主を仕舞い込むと獣のような唸り声を上げた
自身が二振りの大和守の首を捉え、すんでのところでピタリととめてやると慌てたように一歩下がりすぐに睨んできた
「主に狼藉を働くな。我が本丸の仲間にも託されている。しかと守れと。…何をしようとした」
…小狐丸を獣と例えるのは無粋だったかもしれない
確認する術はないが、今の自分も同じように犬歯を剥き出しに唸っているように見えるだろう
大和守安定1「だって、」
大和守安定2「あぐりちゃんの事を佐々木に伝えてやらないで。本当のことを知ったら計画が丸潰れだ」
「計画？…どうでもいい。今しがた手入れが済んだその体を、」
『ストップ』
言葉半ばで主が『こらこら』と小狐丸から抜け出し、自身を下げさせる
不満を隠せない抗議の声を上げてしまったが、まるで幼児をあやすように背中に手を添えられるので、癇癪を起こしているようで気まずくなり素直に口を閉じた
『私が本当の史実を話したら、佐々木さんはそれを変えてしまうかもしれないって事ですよね？どういう経緯で見習いになってるのか全然分からんけど、軽率に歴史を変えてしまうような事を偉人にお話しできません。』
佐々木「…。」
『知りたいと思うけど、それを知って違うように動いてしまったら、歴史修正主義者と同じ立場になってしまうよな。』
「…そうだな。」
小狐丸「主様は正しい判断をされるとこの小狐、信じておりました！」
『え〜！本当に〜！信じてくれてありがとう小狐〜！』
小狐丸「主様〜！」
あっという間に空気を壊した主に目の前の顔もポカーンと口を開けたまま固まっている
ふと佐々木が吹き出して、そうしてやっと空気が動き出した
佐々木「確かにそうだ、歴史を変えちゃいけないね。正しい歴史に戻さないと。」
大和守安定1「言わないならいいんだ」
大和守安定2「いきなり飛びかかって悪かったよ」
…少しだが笑顔を見せた大和守安定を見て、抜き身のままだった自身をようやく鞘に収めることができたのだ。
見ているか兄者。
貴方の弟は我慢ができるようになったぞ。
以前の様に、言い訳も聞かず叩っ斬る様な真似はもうしない。
以前の様に、な。
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ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - わたしは更新、いつでも待ってます! (2021年5月16日 10時) (
レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 名無しさんさん» はい、これからも楽しんで読ませていただきます!!名無しさんは社会人と聞きました。どうか自分のお体をご尊重してください (2021年5月16日 10時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメントありがとうございます。嬉しい内容にやると決意できて良かった、また書きたいと思って良かったと思います。私の作品を読んでくれてありがとうございます！これからも楽しんでいただけたらなぁと思います！ (2021年5月15日 20時) (レス) id: abe0f1ab0e (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - こんばんわ。この作品が続いてくれると知って、とても嬉しいです!!どうか名無しさんのペースで更新してもらえれば。また続きが読める事に感謝します。ありがとうございます!! (2021年5月14日 21時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます！好きと言ってもらえるのはとても嬉しいです！絡み前向きに検討させていただきますね！ (2021年5月6日 13時) (レス) id: abe0f1ab0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2020年1月9日 1時
