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帰宅してすぐにAにLINEを送ったり電話をかけたりしてみたけど、連絡は取れない始末。
翌日どんよりと講義を受けること2時限目。
机に突っ伏す私の肩を、誰かが叩いた。
「おはよ。」
「...A、あんた昨日から私が、」
「あ、先生来た！おしゃべりはまた後で。」
そのまま教科書を開き、前を見るA。
「ちょっと！」
いくら横から声をかけても気が付かないくらい、真剣に授業を受けている。
授業終わりにも、先生に質問に走っていった。
「ごめんごめん！最近この授業出てなかったからよくわからなくて...」
「あのね、Aに言わなくちゃいけないことあるんだけど！」
「ん？じゃあ一緒にご飯食べながら！」
学食はいつものように混雑していた。
「...今日は大丈夫なの？瑞稀さん。」
「うん、久しぶり友達と食べてきなー、だって(笑)。」
何よそれ。
これ絶対なにか企んでる。
「あれ？Aはお弁当作ってきたんだ。」
「そう。ちょうど北斗が帰ってきてて作ってくれた。案外美味しいんだよね...ちょっと食べてみて？」
Aがフタを開けると、彩りよい美味しそうなお弁当が現れた。
「すごいなぁ北斗さん、料理までやっちゃうんだ...イケメンだしインテリだし、完璧な人だよね。」
以前お会いした素敵な北斗さんが、一体どんな酷いことをしたのか全く想像できなかった。
「いやいやあの人性格アウトだから。アイツに泣かされた女なんかいくらでもいるし。」
「え、北斗さん女の子弄んで捨てちゃう系？」
「遊ぶまでいかない系。北斗学生時代結構モテてたんだけどさ、無理！やら興味無い！やらとにかく冷たい言葉で振りまくってたのよ。」
「...結構キャラかも。」
「家にもよく女の子押しかけてきてたな...でもみーんな相手にされず泣いて帰るの。妹ながらそれが心苦しくて時々私も謝ったりしたもんだよ。」
「そうだったんだ...」
「北斗はそんな私の気苦労なんて知るはずもないけどね...あ！典子、私に話って何かな？」
「あぁそうだった！！あのねA、しっかりと聞いて欲しいんだけど。」
「なによそんな深刻になって...はい、聞かせて下さい。」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
