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「...龍斗は、今ここにいてくれてることだけで十分。」
Aが俺の方を見た。
「え...」
「あのまま最後までお店にいたら、私、どうなってたか分からないもん...また部屋に1人閉じこもって、落ち込んで、またダメなことばっかり考えて泣くことしかできなかったと思う。」
「そんなこと、」
「でもね、龍斗が助けてくれた。一緒に月を見て、私が落ち着くの黙って待ってくれて...それからこうやって仲間からのプレゼント一緒に見て、喜んでくれて...今、久しぶりに気持ちが軽くなってる。」
「そうか...よかったな。」
「うん(笑)。それにね、変な話なんだけど、」
「何？」
「みんなの前で、やっと会えた大好きな人にあんな酷いこと言われたけど、」
「けど？」
「そのことより、みんなが私のためにいろいろやろうとしてくれたことが嬉しくて...と、いうか、」
「...面白くて？」
「そう(笑)！だって猪狩も龍我くんも慣れない接待してて、師匠なんかホントにチェーン店にいそうな気合い入ったバイトくんになってるし、大昇くんとリホちゃんがこれまたわざとらしいコスプレしてるしさ、それに極めつけが照さんに翔太さん！なりきりぶりが半端なかった(笑)。」
「あー、あれは森口さんの趣味が入りまくり、」
「ホントにみんな無理しちゃってくれて...龍斗だって、」
「俺？」
「龍斗だってキャラじゃないのに啖呵切ってくれたじゃん、びっくりしたよ...龍斗ってあんなに怒ることできるんだって。かなり頑張ってくれたんじゃない？」
「いや、あれは...」
「いやホント凄かったー！特に人のオンナに何してくれてんじゃい！的なセリフ？ちょっとキュンキュンしたよね。」
「いやだから...あれはセリフなんかじゃない...あのさ、」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
