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水道で顔を洗わせると、車に戻る。
「ちょっと待ってて、タオルか何かないかな、」
後部座席のドアを開ける。
「あれ？」
「ん？」
見覚えのない紙袋が置かれていた。
「なにこれ？」
「誰かの忘れ物...あ、」
「どうした？」
「これ...松村A様って、書いてる。」
紙袋に貼られたカードを、不思議そうに見ている。
「じゃあ、アナタのですね。」
「そうみたいですね...何が入ってるんだろ？」
車に乗り込み、2人で紙袋を開ける。
中に入っていたのは、みんなからAへのプレゼントだった。
「これは...？」
愛らしい包装紙をほどくと、入浴剤やボディオイルが入ったお風呂セットが入っている。
「リホちゃんからだ...うわ、いい匂い。」
「そうだね、これでゆっくりお風呂入りなってことだよ。」
「うん...で、これはアロマキャンドル...大昇くんからだ。」
「さすが大昇...センスいいね、お風呂のあと癒されてねってことだね。」
「うん、2人で選んでくれたのかな...で、これは龍我くん？うわ、ヤバい！」
「お、OKAMOTO'Sのパーカーじゃん！めっちゃおしゃれ。ねぇ、着てみたら？」
「うわーしかもこれ新作じゃない？...どう、似合う？」
パーカーを着ると、Aはニコッと笑った。
「うん、いい感じじゃないですか。」
「ありがとう...で、さっきから気になってたのがコレです。佐々木よりって。」
「確かに...中から音がするね。」
少し大きめの箱を開けると、
「...タンバリン。これ、師匠どういう...？」
「あー大光、楽器店でバイトしてるって言ってた...でも見て？星型だからどう頑張っても被れないよね。」
「そうだね...今度カラオケに行ったときでも使うわ。」
「あら、これはなんだ？」
「封筒だね...手紙かな？」
「いや、中に御祝儀袋が...御見舞、猪狩蒼弥って書いてある...あ、五千円。」
「...猪狩、何をあげたらいいのか思いつかなかったんだね、でもきっとなけなしのバイト代から捻出したんだと思うよ？」
「...そうだね。猪狩、ありがとう。」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
