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「ちょっと待って、」
「ちょっと待ったぁー！！！」
私が立ち上がる前に、瑞稀さんとリホちゃんの前に1人の男が立ちはだかった。
「...誰？」
「へ、あ！！」
我に返るなり、あたふたし始めたのはヤンキー岩崎大昇くん。
「あ、お客様、どう、なさいましたか？」
リホちゃんが慌ててその場を繕う。
「いや、あの、その...」
アカン、大昇くん完全にセリフ飛んでる...
「あ！お客様のお邪魔になってました？ましたよね？はい！うるさかったということですね？」
「あ、はい、いや！お、おう、うるさいぞ、」
「...わかりました気をつけまーす！ねぇ、リホちゃんこの後どこかで飲み直そうよ。」
「え、いや、」
「ダメでーす！！！行きません！！」
瑞稀さんとリホちゃんの間に割り込み、手で大きくバッテンを作る大昇くん。
「...何なのアンタ、」
「お客様、こちらは大丈夫ですので席にお戻り下さい。」
「いや、大丈夫じゃない！」
「大丈夫ですから！どうかお引き取り下さい！」
「さっきからわけわかんないことばっか...この人だいぶ酔ってるんじゃない？ねぇリホちゃん、あっちの席でゆっくり話そうよ。」
「え、いやまだ仕事中ですので、」
「だから俺だけに接待してよ。」
リホちゃんの腕を取り立ち上がる瑞稀さんにはたまた大昇くんが食らいつく。
「だから何なのさっきから！」
「だから2人だけとかダメなんだって！」
「うわっ！！」
リホちゃんの手は瑞稀さんと大昇くんに引っ張られ、まるで綱引き状態。
「だから離せって！」
「嫌だ！離さない！！」
「なんでだよ！アンタには関係ないだろ！！」
「あるさ！！だって彼女だもん！！」
「ギャッ！！！」
大昇くんに強く引っ張られた反動で、リホちゃんが倒れ込む。
さらにその上に倒れ込む大昇くん。
金髪カツラとサングラスが飛んでいき...
Aの前に転がる。
「...え、」
カツラとサングラスを手に、Aが前を見る。
「...リホちゃん？大昇くん？」
「...やっほー。」
「...久しぶり。」
見つめ合う3人。
...そして凍りつく私たち。
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
