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(ASide)
「Aさん？」
「え、何？」
「...ねぇ、Aさん！」
「あ？」
肩を叩かれ、振り向くと怯えた目の知念くんが。
「...あの、頼まれた資料、出来たんだけど...」
「あ！！ごめんごめん！ありがと！！」
お礼を言い、資料を受け取る。
只今、有岡さんと知念くんと絶賛残業中。
「...最近、恐いくらい仕事モードじゃない？」
知念くんが小声で話しかけてくる。
「え、そうかな？」
「うん。話しかけたら怒られそうなくらい集中してるし、それにさ、」
と、私の頭を指差す。
「あ！これは前髪が邪魔だからピンで留めてるだけ。」
「そんなこと、以前のAさんは絶対しなかったよね。」
「あ、でも別に女捨ててるってことじゃないからね。そこんとこ勘違いしないで。」
「いやいや、最近男子並みにバリバリ仕事してんじゃん。」
...確かに。
最近、仕事に没頭している...というか、しようとしている。
少しでも空白の時間があると、岸くんのことを考えてしまうのだ。
今、何してるかなとか、ご飯、ちゃんと食べてるかなとか、
...会いたいなとか。
やっぱり、どんどん、気になってしまう。
この前の学祭まで会いません宣言は、本音を言うと、私に冷却期間を下さいってこと。
誘われている学祭にも、行くべきかどうか悩んでいる。
まだかろうじて残っている冷静な自分を見失わないうちに、会うのをやめた方がいいのか...
「だからさ、この間営業部のヤツらにAさん紹介してって言われたんだけど、やんわり断っといたから。」
「は？知念くん、私に黙って何してくれてんのよ！」
「だって今、仕事一筋って感じだし、よくよく付き合えば性格ヤバいし...」
「はー、せっかくの出会いを...」
「おい、2人とも出来たの？」
有岡さんがコーヒーを持ってきてくれる。
「おい、知念よくやってくれた。今Aさんは大事な戦力なんだから。変に営業のヤツとくっついて早々に寿退社でもされたら大打撃だぞ。」
「...もう、有岡さんまで...こうやって私の婚期が遅れたらどうしてくれるんですか！！」
「うーん...そんときは...しょうがない！！俺が責任とってもらってやる、」
「あ、それは大丈夫です。有岡さん、できました。チェックお願いします。」
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
