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目が覚めたのは、翌日の昼前だった。
いつものように枕元のスマホを手に取る。
LINEの通知がきている。
少し躊躇って、でもタップする。
...Aさんから。
思わず飛び起きる。
"おはよう。昨日はごめんなさい。あの後、大丈夫でしたか？"
慌てて返信する。
"はい、何とか。"
程なくAさんからも返信が。
"ケガ、どう？"
"口がちょっと切れたぐらいで、平気です。"
"今から、会ってもらえますか？"
え...俺に会って、どうするの？
昨日の言い訳？
もう俺とは会わないって言いに？
"近くまで行きます。場所、指定して？"
正直、会うのが怖い。
でも、会いたい。
Aさんと会って、話がしたい。
"じゃ、いつもの駅前の公園で。"
"分かりました。待ってます。"
シャワーを浴び、手早く身支度をして自転車にまたがる。
公園のベンチに、Aさんは座っていた。
「Aさん。」
「ごめんね、呼び出して。」
俺を見たAさんは、少しだけ笑う。
横に腰掛けると、Aさんは持ってきたカゴをガサガサしている。
「はい。これだったら食べれるかなって思って。」
蓋を開けると、冷製スープ。
美味しそうな匂い。
スプーンを受け取り、少しづつ口に運ぶ。
Aさんは、じっと見ている。
俺が一口食べるごとに、「大丈夫？」「口、痛くない？」と心配そうに聞いてくる。
「Aさん、美味しいです。完食できそうです。でも、食べてるのずーっと見られるの、ちょっと恥ずかしい。」
「あ、ごめんごめん！」
慌てて横を向くAさん。
2人並んで、黙ってベンチに座る。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
